イタリアのJASモータースポーツは15日、2015年からスタートする予定の新ツーリングカーレース、TCRシリーズ向けのホンダ・シビックを公開した。
2015年からインターナショナルシリーズ、アジア等のナショナルシリーズがスタートする予定の新ツーリングカー規定、TCR。スポーツカーのGT3カーレースに着想を得たカテゴリーで、コストキャップが定められ、性能調整で速さがコントロールされる等の特徴をもつ。
すでにTCRカテゴリー向けにセアト・レオンのカップカーが用いられると予想されているほか、オニクスがフォード・フォーカスのTCRカーを製作中。また、WTCC世界ツーリングカー選手権に長年参戦したリキモリ・チームエングストラーが、フォルクスワーゲン・ゴルフで参戦を予定している。
そんな中、スウェディッシュ・ツーリングカー選手権(STCC)に参戦するウェストコースト・レーシングは、11月にJASモータースポーツ製のホンダ・シビックでTCRインターナショナルシリーズに参戦することを決定。WTCC用のシビックも製作しているJASは15日、そのTCR用シビックの写真を初公開した。
マットグレーに彩られたマシンはデイライトの意匠をはじめ、グリル周辺の形状など、9月に公開されたホンダ・シビック・タイプRコンセプトのイメージを色濃く反映している。また、エンジンについてはWTCCと同様にTCR向けに無限とパートナーシップを締結。フロント、サイドに無限のロゴがつけられている。リヤウイングは、ツーリングカー界ではまだあまり見られないスワンネック形状のステーが採用されているのが分かる。
「入手可能なベースカーの価格とランニングコストにより、多くのドライバーとチームが地域シリーズ、インターナショナルシリーズに参加できるはずだ。これにより、TCRシリーズは世界中のメーカーにとって良いショーケースとなる可能性がある」とJASモータースポーツを率いるアレッサンドロ・マリアーニはTCRの将来性について語る。
また、JASモータースポーツのビジネスマネージャーであるマッズ・フィッシャーは「ツーリングカーレース界の我々のカスタマーは、長年新しいレーシングカーを求めていたんだ」と語った。
「ウェストコースト・レーシングの参戦発表以来、世界中の多くのカスタマーからTCRについて興味が寄せられている。特にアジアのカスタマーからね」
TCRインターナショナルシリーズは2015年からマレーシアのセパンを皮切りにスタートする予定で、F1のサポートレースにも多くが組み込まれる予定だ。