Q&Aサイトの発言小町に、こんな相談が寄せられていました。相談者のペーパーさんは、29歳の女性。新卒で入った職場はイジメにあって半年で退社し、今は気まぐれに応募した会社で営業をしています。
相談者さんは自分の性格を、「表面的にはにこやかだけど、小心者で受け身、マイナス思考な性格」だと言います。プライベートでは人間関係を維持させるのが大の苦手で、孤独でも1人でいる方が疲れなくて好き。「根性」という言葉が大嫌いで面倒くさがり、休日は家に籠ってネットやゲームばかりしているそうです。
好成績にも「営業=コミュ力必須ではないのかな?」
そんな相談者さんですが、会社での営業成績はなぜかトップクラス。社内で「エース」と呼ばれたり、表彰されたりもしています。入社直後はビギナーズラックかとも思ったそうですが、何年も好成績が続くので、最近は「実は自分は営業に向いているのかも」と考えるようにもなりました。
一方で相談者さんは、「なぜ自分のような人間が営業で良い成績を出せるのか信じられない」と言っています。「営業=コミュ力必須というわけではないのかな? 皆さんの会社のトップ営業は、どんな人ですか?」
ネットで成功体験をうかつに打ち明けると、同じ女性から「それってタダの自慢じゃないの?」と嫉妬されたり、リタイアしたサラリーマンOBから「そんなレベルで満足しているなんて意識が低い!」と説教されたりすることが多いものです。
しかしこの相談には、納得する人が多かったのでしょう。仕事で「押しの強いグイグイ行く営業マン」に困った経験を持つ人たちが多かったのかもしれません。回答者から支持されたのは、相談者さんのような「押さない営業」のタイプでした。
「私はあまり押しの強い営業さんは苦手です。自分を前面に押し出すような、相手に有無を言わせないようなトーク、やけに馴れ馴れしい、または四角四面な対応もカチンときます」(obaさん)
「あまりグイグイいってお客様との距離感が近すぎるのは、今の時代あまり受けないのかも。何となく良いことばかり言ってそうで、胡散臭い印象を与えたりもある」(保険係さん)
回答者は支持「客に喋らせてナンボです」
もちろん「少しのことではめげない前向きなタイプ」や「人の心をつかむのがうまく、話し方も論理的で説得力があるタイプ」など、典型的な営業マンが高い実績を上げているとコメントする人もいましたが、まったく逆の意見の人も出ています。
「自分ではなく、客に喋らせてナンボです」(赤出汁さん)
「営業で成功するコツは、『お客様の話をよく聞き、自分からあまり話さない』『お客様を立てられる』『できないことは受けない』『正当な事はお客様にもきちんと主張する』。あなたはおそらく、こういうことがきちんとできているのだと思います」(おっちゃん1さん)
そもそも「押しの強さ」が求められる営業は、企業の都合を押し付けているからであって、長い目で見ると得策ではないという意見も。
「押さないと売れないってことは、商品がお客さんに合っていないということ。合わない商品を無理やり売りつければ、一時的に成績は上がるが、そのお客様と次の商売はない」(しいぼるさん)
お客や商品のタイプにもよるのかもしれませんが、相談者さんの受け身な姿勢が営業で大切な「相手を知る」という点でプラスに働いているのかもしれません。加えて、今回相談したような素朴な疑問を「なぜだろう」と深く考えようとする性格も、営業としての能力向上に一役買っているのではないでしょうか。(ライター:Makiko.N)
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