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「未単行本作品を完結へ」ベンチャー企業の挑戦―既に2作品完結済み

2014年12月12日 13:11  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

「未単行本作品を完結へ」ベンチャー企業の挑戦―既に2作品完結済み

出版界にはコミックなどを出しても諸事情で最後の巻まで出版されない、なんてことがたまに起こる。理由は不況であったり、作者との折り合いがつかないからであったりと様々。


そんなマンガ作品を、原作者および漫画家の協力を得て完全版を制作し完結させ、電子書籍として配信するプロジェクトを、ベンチャー企業の株式会社Green rompとベンジャネット株式会社が今年10月に発表した。


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既に、『凶獣の牙』(原作:鍋島雅春、漫画:根本哲也)、『ミッドナイト・ドク』(原作:宇治谷順、漫画:根本哲也)の2作品が完結している。
これらの作品は、全巻無料アプリ『マンガ読破!』(http://dokuha.net)上で公開されており、今後は電子書籍マーケットなどにも展開していくそうだ。


■フリーミアムの漫画アプリビジネスは戦国時代に


Kindleやkoboといった購入型の電子書籍マーケットが日常化している昨今、AppStoreやGooglePlayといったアプリマーケットには、『マンガ読破!』のようにユーザーが無料でマンガを読むことが出来るフリーミアム型のサービスが増えている。


『マンガ読破!』以外にも、DeNAの提供する『マンガボックス』、NHN PlayArtの『comico』、最近では集英社の『週刊少年ジャンプ+』といったサービスがフリーミアムをベースにサービスを提供しており、ブック・コミックカテゴリは、ゲームカテゴリ同様熾烈な競争が繰り広げられている。


マネタイズは各社様々ではあるが、ほとんどで「マンガの途中に広告が表示される」「制限内は無料ではあるものの追加で読みたい場合は課金が必要」といった手段がとられている。


そうした状況の中、GreenrompとBenjanetが発表したプロジェクトは、アプリというマーケットの幅広いユーザーを抱えている特性上、昔ファンだったユーザーを取り込むことが可能という点で、ニッチではあるものの、市場の一部を抑えているといっても過言ではなさそう。
またこれまでの出版界の常識にとらわれないこうした動きは、過去活躍した漫画家らを復活させる良い一手になるのではないだろうか。