マクラーレンF1チームは11日、新たにフェルナンド・アロンソを2015年のレースドライバーとして迎え、彼のチームメイトにベテランのジェンソン・バトンを起用することを正式に発表した。
2015年からホンダのパワーユニットで戦うふたりのマクラーレンドライバーがようやく決まった。ひとりは、かねてから噂されていた現役最強ドライバーのひとり、フェルナンド・アロンソだ。2度のワールドチャンピオン経験者で、2010年からはフェラーリをドライブし、2度のタイトル争いを演じたアロンソは、キャリア最後のチームと誓っていた跳ね馬との契約を2年早め、新生マクラーレン・ホンダに新たなチャレンジを求めた。
もうひとりは、ベテランのバトンが残ることで“決着”した。ここまで発表がずれ込む原因となったふたつ目のシートは、かつてホンダを優勝に導いた経験もある2009年チャンピオンのバトンか、名門のルーキードライバーとして今シーズン何度か印象的な速さをみせたマグヌッセンか、ふたりの内どちらを残すかでチームはなかなか決断できなかった。
背景には、両者のサラリーの開きや、アロンソの持ちこむスポンサーなど金銭的な面も噂にあがっていたが、ここ2シーズン優勝から見放され、常勝チームへの再建計画を進めているマクラーレンと、1年遅れでパワーユニット競争に参入するホンダの新生チームが慎重かつ最高の体制づくりに徹したこともかなり影響したといえる。
情報では、アロンソやチームの多数派が推すバトンに対し、マクラーレン・グループのCEOとして再びF1チームを管理下に置いたロン・デニスがマグヌッセンの残留を譲らなかったという意見もあり、先週開かれた役員会ではチームの共同オーナーであるデニス、マンスール・オジェ、シャイク・モハメド・ビン・エサ・アル・カリファという大株主3人の意見がまとまらず、その日予定されていた結論が出なかったという経緯もあった。
しかしこの日、チームの本拠地であるマクラーレン・テクノロジーセンターで開かれたメディアイベントでは、デニスとホンダF1の総責任者、新井康久氏がアロンソとバトン、そしてレースシートを失うことになったマグヌッセンを囲んだ。チームは、アロンソとバトンのレギュラードライバーふたりに加え、育成ドライバーとしてデビューさせたマグヌッセンを来季もテスト兼リザーブドライバーとして起用することを決めている。