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ワタミの店舗に株主登場 「今日の飲食代をタダにしろ!」と迫る

2014年12月11日 12:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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私がワタミの社員として働いていた頃、ある日20代半ばの女性アルバイトに呼ばれました。この女性は4年ほど業務経験があり、他の従業員からの信頼も厚い人です。その人に「お客様がお怒りなので来てください」と言われました。

理由を聞くと、頼んだ料理が来ないことが原因とか。彼女も「少々お待ちいただけますか。すぐに持ってきます」と言ったそうですが、「俺はあんたの会社の株主だぞ。こんなんでいいのか」などと言われて話も聞いてもらえず、全く収まらないというのです。

「いつになったらトン汁が出てくるんだ!」と激怒

こうした事態を多く経験している彼女でも収まらないクレームなので、私はただならぬ気配を感じました。私がお客のところに行くと、「あんたが責任者か」といぶかしんでいる様子です。相手は50代くらいの男性で、夫婦で来店されていました。

私はすぐさま、「申し訳ございません。不手際があったようで」と声をかけました。この言葉を言い終わる前に、男性は「お前のところの教育体制はおかしい。どうなってんだ! 上司に連絡しろ!」と怒鳴りつけてきます。

ここで私は、女性アルバイトの「話を聞いてもらえない」状況を理解しました。それでもおさまらず、男性は「いつになったらトン汁が出てくるんだ! いつまで待たせんだよ!」とまくし立ててきます。かなりお怒りです。

私は「分かりました。この状況を上司に報告します」と言うと、「分かった」との返事が。しかし店長と課長に電話しても、2人ともつながりません。一刻を争う事態ですから折り返しの連絡を待つわけにもいかず、つながらない状況をお客様に説明しました。

「そうか。これがワタミのレベルだな。俺は株主なんだがね」

男性は、株主ということをやたらとひけらかしてきます。こうした立場を武器に脅しているのでしょうか。本当に株主かどうかも確認できないのですが。すると信じられないことに、この男性は要求をエスカレートさせて、こんな無茶な要求をしてきました。

「こういう時は、今日の飲食代をタダにするくらいするんじゃないの?」

これ以上、店を混乱させたくないと考えた私は…

普段の私なら、こんな要求は決して呑むことはありません。

「それはできません。もう全て飲食なさっていますし、不手際のあった商品の値引きは致しますが、問題のない他の商品まで無料にはできかねます」

というところです。ただ、この対応をしている今も入店や退店、注文が止まらず、店は猫の手も借りたい忙しさです。そもそも料理の遅れは、混雑によるものなんですから。

それを痛いほど分かっていたので、早く事態を収拾し、仕事に戻ることが最優先と考えた私は「わかりました」と渋々と了承。ここまで譲歩したのですが、さらに男性は、

「えぇ? 本当か? 何か怪しいな。後から『無銭飲食された』とかいって、文句言うんじゃないんだろうな?」

と詰め寄ってきます。私は(いやいや、あんたが言い出したんだろ。もういいから早く帰ってくれよ)と思いました。結局、男性は「それなら、お前の名刺に『今日の飲食代はいただきません』と一筆書けよ」と要求してきました。

奥さんの「最後のひとこと」に脱力

もうどうでもよくなった私は、一筆書くハメになりました。それで満足したのか、お客様は帰り支度を始め、帰り際に隣にいた奥さんが私の方を見てこう言いました。

「頑張って下さい」

奥さん、あなたは何のつもりでそう言ったんですか。私は何を頑張ればいいのでしょうか…。同情なら要りませんから!(泣)

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