ジャン-エリック・ベルニュは、ボスが自分を来年レッドブル・レーシングのレースドライバーに昇格しなかった理由が理解できないと語ったものの、一方でこれまでのサポートに対する感謝の言葉も述べた。
レッドブルの育成プログラム出身のベルニュは、2012年にトロロッソからF1にデビュー、2014年末でチームを離れることが決まった。
レッドブルは、昨年末でF1から引退したマーク・ウエーバーの後任を決める際にはダニエル・リカルドを選び、2014年いっぱいでセバスチャン・ベッテルがフェラーリに移籍することを決めた時にはダニール・クビアトの昇格を決めた。
トロロッソは2015年にマックス・フェルスタッペンをF1デビューさせることを決め、後に彼のチームメイトとしてカルロス・サインツJrを選んだため、ベルニュはレッドブル系のチームのシートを失うことが決定した。
ベルニュは今年、予選では19戦中12回クビアトに敗れたが、ポイントはクビアトより14点多い22点を獲得し、チームに貢献した。
なぜレッドブルが自分でなくクビアトを昇格することを決めたのか「さっぱり理解できない」とベルニュは語った。
「去年(リカルドの方が選ばれた理由)は分かっているが、今年は政治的な要素が絡んでいるのではないかと思う」
「彼ら(レッドブル)はポイントが重要だと常に言う。僕の方がチームメイトより5kg重かったことも彼らは知っている。(体重差によって)少なくとも予選でコンマ2秒不利だった。さらに何度もテクニカルトラブルに見舞われて取れるはずのポイントを失った」
一方でベルニュは、トロロッソの来季ドライバーとして選ばれなかったことに関しては理解でき、レッドブルに対して不満を抱いてはいないと述べている。
「トロロッソはレッドブルの資金で成り立っているチームであり、若手ドライバーを走らせるためのチームだ。僕はF1で3年走り、もはや若手ドライバーとはいえない」と現在24歳のベルニュは語った。
「だから、彼ら(レッドブル)がアカデミーから若手ドライバーを(トロロッソに)昇格させる決断をしたのは理解できる。この決定については苦々しく思ってはいない」
「こういうチャンスをもらえるドライバーは数少ない。最高のチャンスだ」
「レッドブルへの感謝の気持ちを忘れることはない。彼らのおかげでF1で3年走ることができ、それによって今後のキャリアのためにたくさんのチャンスを得ることができた」
「もちろんレースシートを失ってがっかりしているが、今季は強力なパフォーマンスを見せることができた」
「昨年末でF1を去ることになっていたら失望していただろうが、今年は何も後悔する点はない。僕はドライバーとして大きく成長したんだ」
「僕はトロロッソで走るには年をとりすぎているが、F1ドライバーとしてはまだ若いし経験もたくさん積んでいる。それをモチベーションにしてさらに前に進みたい」
「レッドブルは僕のためにやれることをすべてしてくれた。今は僕自身が決断を下す時だ。今後立ち向かうチャレンジが楽しみだ」
「今まで積んできた経験があれば、今後いいチャンスに出会えるはずだ」