企業の採用活動において、説明会を無断欠席したり、選考途中で連絡もなしに突然辞退したりする「ブラック就活生」に悩まされている――。そんな記事をキャリコネニュースが掲載したところ、ネットで大きな話題となった。
配信先のニコニコニュースでは700を超えるコメントや、970にのぼるツイートが寄せられた。内容は、就活生に節度ある行動を呼びかける声があるものの、「会社にも反省すべき点があるだろう」と反論するコメントもかなり多く見られる。
すっぽかされるのは「その程度の会社」
目につくのは「この程度でブラック呼ばわりをするな」と就活生側を擁護する意見だ。「ブラック就活生」とは、もともと会社側に使われていた「ブラック企業」という呼び名を転じたものだが、そのような使い方は適切ではないという。
「ブラックって法律違反の犯罪組織に使う言葉やろ?」
「これくらいならグレー就活生ちゃう?」
「あれもこれもブラック付けられててワケ分かんねーよ!」
確かに会社説明会の無断欠席を違法行為と呼ぶのは大げさすぎる。一方で、企業がサービス残業を強要するのは明確な労働法違反であり、これらを一緒に論じるような呼び方は「企業のブラックさをあいまいにするための謀略」というわけだ。
しかし企業側としても、少し体育会系のノリを出しただけで「ブラック」呼ばわりをされることもある。どこかで学生たちに一矢報いたいという思いもあるかもしれない。
また、説明会を無断欠席されるのは「すっぽかされる程度の会社」だという、企業側には耳の痛い指摘もある。「会社に魅力がないだけじゃん」というわけだ。
「その程度の会社なんだろ。本気で入りたい会社ならそんなことはしない」
「申し込んだけど調べたらブラック(企業)だったからやめたんでしょ」
労働条件のよい魅力的な会社の説明会は、どうしても入りたいと思う就活生たちであふれるに違いない。学生の参加率を上げるには「無断欠席されない会社」になればいいという。
説明会へのエントリー煽る「就活サイト」もやり玉に
「サイレントお祈りしてる側がいえることではねーわな」というコメントは、選考で落とした人にきちんと通知しない会社もあるのだから、就活生側だけに厳しいマナーを要求するのはおかしい、という意味だろう。
もちろん「ブラック就活生」の存在に呆れ、批判する声もある。
「これがゆとりかなるほど」「世も末よのぉ・・・」
バブル期にも無断欠席は珍しくなかったという人がいる一方で、「一言くらいは連絡欲しいよね」「こうはなりたくないな、気をつけよっと」という人も。また、すべての就活生がいい加減なわけではなく、「僕はちゃんと断りの電話入れてた」と明かす人もいた。
とはいえ、無断欠席するような学生は誠実さに欠ける。誤って採用してしまう前に判明してよかったのではないか、と採用担当者を慰めるコメントも。
「クソを雇わずに済んでラッキーじゃん。雇う前に分かってよかったね」
「選ぶ手間が省けて良いことやん」
ただ、「ブラック就活生」の背景には、現在の就活システムの問題があるとする批判も根強い。説明会の申し込みがスマホで簡単にできてしまうため、開催日を忘れたり、出席を軽視したりする風潮につながっていると見る向きも。
就活情報サイトが企業へのエントリー数を増やすように煽るため、申し込みを増やしすぎて出席できなくなってしまう。「一番悪いのは、あたかも1週間の(説明会出席)ノルマがあるように見せかけてる就活サイト」と批判する人もいた。
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