日本GPでのジュール・ビアンキの事故を受けて設立された事故調査委員会が報告書を提出、アクシデントの分析や今後の対策についての提案を行った。
ウエットコンディションとなった日本GP決勝でビアンキはクラッシュ、重傷を負った。F1での安全性向上のために10月に発足した事故調査委員会は、396ページにおよぶ報告書を提出、今月3日、FIAはその概要を公表した。
委員会は、イエローフラッグの規則を徹底し、イエローフラッグゾーンでのスピード制限を厳しく行うことを求めた。FIAはすでにバーチャルセーフティカーシステムの来季導入を承認している。
委員会のレポートには、ビアンキはクラッシュの際に「コントロールを失うことを避けるのに十分な減速はしていなかった」と記されている。
「ドライバーたちがダブルイエローフラッグの必要条件を忠実に守るなら、競技者もオフィシャルも身体の危険に直面することはないはずである」
レポートではクローズドコクピットやクレーンの改造ではビアンキのような事故は防げないとして、これらの提案は退けている。
日本GPの後、正しい安全策がとられているが、さらなる対策が必要だともレポートには記されている。
委員会は、日没の4時間以上前に決勝をスタートすること(ナイトレースは除く)を要求、開催地の雨季を避けてグランプリ日程を決めるよう提言している。
また委員会は、今回の事故でタイヤには何も問題がなかったと強調した上で、F1タイヤサプライヤーにはウエットタイヤテストを行う機会を与え、最大限の技術力を発揮できるようにすべきであると述べている。