FIA世界モータースポーツ評議会の会合が行われ、バーチャル・セーフティカーの導入など、さまざまなF1規則変更が決定された。
3日の会合において、今年導入されたものの不評だったダブルポイントは廃止、安全面からセーフティカー出動後のスタンディングリスタート案も廃案となった。
また、バーチャル・セーフティカー(VSC)の導入も正式に決定した。VSCは日本GPでのジュール・ビアンキの事故から安全性向上を図るために考案されたシステムで、仮想のセーフティカー出動コンディションを導入することで、走行スピードを厳しく減じさせるもので、ドライバーは指定されたデルタタイムに従って減速しなければならない。アメリカGP以降、このシステムのテストがフリープラクティスの際に行われてきた。
テストの結果、2015年導入が承認されたVSCに関し、FIAは次のように説明している。
「コースクラークの指示によりコース上の戦いを中断するためVSCの手順が開始される。コース上でダブルイエローフラッグを振る必要がある状況で、競技者あるいはオフィシャルが危険にさらされる可能性があるものの、実際のセーフティカー出動を許可するほどの状態ではない場合に使用される予定だ」
今回発表された他の主な規則変更点は以下のとおり。
・赤旗が出た場合、マシンはスターティンググリッドに向かうのではなく、ピットレーンに入らなければならない。
・15秒警告シグナル提示後にチームスタッフあるいは機材がグリッド上に残っていた場合、ドライバーはピットレーンからスタートしなければならない。
・セーフティカー出動の手順が変更。後方マシンが周回遅れを取り戻す際、今年とは異なり、セーフティカーは彼らがリーダーたちに追いつき隊列が整うまで待つ必要はなくなる。
・マシンの最低重量が1kg引き上げられ702kgに。
・フロント・リヤ・インターコネクテッド(FRIC)システムを禁止するためサスペンション規則が厳格化。
その他にもスーパーライセンスやペナルティに関する規則などにも変更がなされている。