WTCC世界ツーリングカー選手権は3日、大幅に変更された2015年のカレンダーを発表した。ここ数年とはまったく日程が異なっており、新たにタイのチャーン・インターナショナル・サーキットやカタールのロサイル等の新コースで開催される。
2005年に現在の形でスタートしたWTCCはここ数年、ある程度固定されたカレンダーで行われてきたが、2015年は大幅にカレンダーが変更された。ここ数年開幕戦となっていたモロッコの前に、今季ワールドチャンピオンに輝いたホセ-マリア・ロペスの母国アルゼンチンが入り、南米での開幕となった。
5月のハンガリーからは、ヨーロッパでの連戦。第4戦となったニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのレースは、1周26km超の北コースを使って争われる。その後はロシア、スロバキア、フランスと転戦。ポルトガルでのWTCC開催は2013年以来となる。
7月までのヨーロッパ戦を終えると、サマーブレイクを挟みWTCCはアジアでの転戦となる。その幕開けとなるのは2008年以来毎年開催されている9月13日の日本ラウンドだが、大いに注目なのはその開催コースがTBC(近日中に決定される)となっていることだ。これまで日本ラウンドは2010年までは岡山国際サーキット、2014年までは鈴鹿サーキットで開催されてきた。
この日本ラウンドについて、WTCCをプロモートするユーロスポーツ・イベントは、WTCC開催の日本のパートナーであるモビリティランドと、鈴鹿から栃木県のツインリンクもてぎに開催地を移す交渉をしているという。WTCC側ではもてぎに移すことで、より東京に近い場所で開催できることで、ホンダを応援する多くのファンが訪れることができる等のメリットを挙げた。
日本ラウンド開催について、モビリティランドはオートスポーツwebの取材に対し、現在ユーロスポーツ・イベントと交渉を行っていると明かした。コース変更の理由については上記のものを挙げたが、鈴鹿サーキットでは9月27日に予定されているF1日本グランプリの準備があり、スケジュールがタイトになることも関係しているのかもしれない。
ちなみに、このWTCC日本ラウンドの日程はスーパーフォーミュラ第5戦オートポリスと日程がバッティングしている。現在スーパーフォーミュラの2015年日程はF1日本グランプリとも重なっており、今後調整があるのか注目が集まっている。
これまでアジアでのレースは日本の前に中国での開催があり、2014年は2戦が開催されていたが、来季は日本ラウンドの後の上海での1戦のみに。さらに、今季スーパーGTを初開催したタイのブリーラムにあるチャーン・インターナショナル・サーキットで初めてWTCCが開催されることになった。
そして、最終戦の舞台はこれまで毎年WTCCの最終戦を開催してきたマカオから、カタールでのナイトレースに変更された。マカオはこれまで多くのドラマを生んできたコースだが、来季はTC3インターナショナル・シリーズの一戦として開催されることになった。