12月9日にリリースされる宇多田ヒカルのカバーアルバム『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』の収録曲が発表された。
宇多田のデビュー15周年を記念してリリースされる同作。明らかになった収録曲は、井上陽水“SAKURAドロップス”、椎名林檎“Letters”、岡村靖幸“Automatic”、浜崎あゆみ“Movin' on without you”、ハナレグミ“Flavor Of Life”、AI“FINAL DISTANCE”、吉井和哉“Be My Last”、LOVE PSYCHEDELICO“光”、加藤ミリヤ“For You”、大橋トリオ“Stay Gold”、tofubeats with BONNIE PINK“time will tell”、KIRINJI“Keep Tryin'”、Jimmy Jam & Terry Lewis feat. Peabo Bryson“Sanctuary”の13曲となる。本日12月3日から井上陽水、椎名林檎、AI、KIRINJIがカバーした4曲がiTunes Storeで先行配信スタート。さらに、各アーティストからのコメントも公開されている。
また、様々なクリエイターが宇多田の楽曲や宇多田自身をテーマに制作した作品を順次発表している同作の特設サイトで、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』チームが手掛けた“Beautiful World”の新PVが公開。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ3作の映像を今回のために再編集して制作された同PVは、初公開となる新作カットも織り交ぜた内容になっている。
映像の制作を指揮した鶴巻和哉監督は、同PVについて「映画のエンドクレジットはただのスタッフリストではありません。物語や演出、登場するキャラクターたち同様に、それによって映画全体が一つ上のレベルへと押し上げられる...そんな存在であるべきと思ってきました。私たちの映画を最後まで見ていただければ、その意味はわかっていただけるのではないでしょうか? 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズが宇多田ヒカルさんの楽曲とともにあることに感謝します」とコメントしている。
さらに『宇多田ヒカルのうた』とタワーレコードのキャンペーンもスタート。「NO MUSIC, NO LIFE!」ポスターや、フリーマガジン『tower+』に水野学(good design company)、野村哲也(スクウェア・エニックス)がそれぞれ同作のために制作したイラストが使用されるほか、『宇多田ヒカル展』、鹿野淳がtofubeatsをゲストに迎えて放送するラジオ番組『宇多田ヒカルNOMAD』の公開収録などがタワーレコード渋谷店で開催される。また、12月4日にはDOMMUNEで同作の特別番組を配信。DJ YANATAKEが番組のプロデュースを手掛け、WARNER、ミラクルひかる、DJ PUNPEEや宇多田ヒカルのスタッフらがゲスト出演する。
【井上陽水のコメント】
宇多田ヒカル、
彼女の「せつなさ」はいったい
どうしたことなんだろう。
詩から、メロディーから、歌から、
届いてくる、あの「せつなさ」の
魅力に多くの人たちが
魅了されている。
彼女の、その感情の提出は
日本人にとって
残酷なほど
一等のエンタテイメントに
なっているに違いない。
【椎名林檎のコメント】
丁寧に重ねられた宇多田ヒカルのハーモニーは日本が誇る絹織物のよう。中でもその特徴が大きな魅力となっているナンバーを、敢えて選曲しました。そして、そのような彼女の技を、敢えて取り払うことへ、勇気をもって挑戦しました。彼女の書いてきたものは、土台だけにしてしまっても..つまり詞曲だけの状態にしたとしても、気高く美しいから。案の定、ただひたすらその事実を証明させられるプログラムになりました。
当時彼女が、録り終えたばかりの「Letters」を、文化村スタジオの卓から直接聴かせてくれました。わたしはすぐに「もう一回聴かせて」と、せがんだものです。これからなんど聴いたとしても、そう感じることになると予感していましたし、見事的中してもいます。
つまり、わたしは彼女のオリジナルテイクがだいすきなのです。だから、ほんとうはこんなこと、やりたくなかったのです。しかし、この銘曲を生み出してくれた彼女の偉業へ、精一杯の敬意を込めて取り組みました。彼女への愛を共有してくださるかただけに、こっそりご試聴いただきたいと思っております。
【岡村靖幸のコメント】
名曲にトライ出来て、楽しかったです。
気に入ってくれると、いいな。
【浜崎あゆみのコメント】
今回のこのオファーを頂いた際、素直に『ヒカルちゃんの曲を歌ってみたい!』とワクワクした自分が居たので快諾させて頂きました。
選曲については、私的にヒカルちゃんとのリリースタイミングが近かったり等の理由で当時よく耳にしていた、思い出のある「Movin' on without you」をチョイスさせて頂きました。今でもこの曲を聴くと、あの頃の日々が鮮明に蘇ります。
更にアレンジを最近一緒に音を創っているRedOneチームと共にリアレンジして、原曲とはまた違った側面と魅力がプラスされたテイストになっていると思いますので、ヒカルちゃんはもちろんのこと、多くの人に楽しんでもらえるとうれしいです。
【ハナレグミのコメント】
沢山のファンの方と同様、僕も宇多田ヒカルさんの音楽のファンです。カバーアルバムに参加できて光栄だのなんのってベイベー!!
【AIのコメント】
今回は自分も元々大好きな一曲がカバー出来て嬉しかった。ただヒカルちゃんのオリジナルが好きすぎてかなり歌い方悩んだw
ヒカルちゃんの曲は元々好きでよく聴いてたし、彼女の書く歌詞の世界観や音楽での表現も共感できるものばかりでいつもすばらしい曲をこの世に出してくれて本当にありがとうといいたいです。
カバー頑張りましたんでw是非聴いてくださいね!
【吉井和哉のコメント】
僕にとって、日本の2000年代を象徴する女性アーティストです。
イエローモンキーを活動休止して途方にくれてる頃、宇多田さんの歌に触れファーストアルバムを買いました。
「僕の時代は終わったな」と当時、高井戸のオリンピック(スーパー)に行く車の中で聴きながら思ったものでした。
まさかこのような形でいま、作品に関わらせていただけるなんて夢にも思いませんでした。
昔、同じEMIに在籍していたころ、宇多田さんを意識して「CALL ME」という曲を仕上げました。
今回はその思い出とともにアレンジし、歌わせていただきました。
【LOVE PSYCHEDELICOのコメント】
時代を越えて受け継がれてゆくエターナルな楽曲との出会いに感謝します。
【加藤ミリヤのコメント】
もしも私がこの声をもって生まれていたら、、
宇多田ヒカルさんの声は私の永遠の理想であり憧れです。
初めて聴いた10歳の頃。すぐさまその声の虜になりヘッドフォンを耳に押しあてて、何時間もこの声を聴いていたい、そんな風にして。
どうしてこんなに切ないんだろう。どうして勝手に涙が出てくるんだろう。
宇多田ヒカルさんの歌を聴く度にいつも感じていました。
孤独ばかり感じていつも苦しかった私の10代は、いつもそばに宇多田ヒカルさんの歌がありました。
そして今も「誰か」との繋がりを求めている私の心の声を歌にしてくれる、そう強く感じます。
【大橋トリオのコメント】
travelingに続き、二度目のカバーをさせていただきました。
名曲のカバーというのは、実はライフワーク的にアルバム3枚分もやらせて頂いておりまして、中でも宇多田さんの曲は色んなアレンジの可能性が浮かぶので、結局どこに落とし込むのがベストなのかというのが悩みどころです。勿論嬉しい方のです。
今回は敢えてピアノ1本にしてみましたが如何ですか?
ありがとうございます。
【tofubeatsのコメント】
「First Love」リリース時はまだ年齢一桁の僕が、宇多田さんの楽曲をボニーさんと公式にカヴァーできる日が来るとは夢にも思っていませんでした。皆様と同じように携帯プレーヤーから宇多田さんの楽曲を聴いて考え事をしながら神戸を散歩している人生と、このアルバムに自分のアレンジしたカヴァーがボニーさんの魔法のようなボーカルと共に収録されている人生はなかなか実感を持って交差しにくいところでもあります。今回は「Time Will Tell」を選ばせてもらいましたが、ちょっと今の自分にしては早すぎて(宇多田さんがこの曲を書いたのは10代の頃ですが)、まだまだ分不相応に思えるこんな仕事を頂けた縁も、時間が経てばわかる。といいなあ。
【BONNIE PINKのコメント】
私がNYで生活していた90年代の終わり。一時帰国してふとつけたテレビから流れてきた曲が“time will tell”でした。“いい歌だなぁ…誰だろう?”とビビッと来て、宇多田ヒカルという名前を強く胸に刻みました。今回tofubeats君から歌唱依頼を頂き、そして彼の選曲がまさにあの曲!これもご縁?と思い参加させて頂きました。繊細かつ大胆にアレンジされたトラックは、tofu君が依頼を受けた興奮から僅か3時間で作ったそうです。そんな彼の情熱に私の勝手な親近感も添えて、ラブレターのように温かい仕上がりとなりました。彼女の楽曲の素晴らしさを素敵なメンバーと共に今一度体感できた事をとても光栄に思っています。きっとこの先またたくさんの“ビビッ”を運んで来てくれるであろう彼女に期待して。
【堀込高樹(KIRINJI)のコメント】
Keep Tryin'は宇多田さんの作品の中でも、とりわけメロディとハーモニーに独特な響きが感じられて大好きな曲です。聴いている時には気づかないのですが、実際にこの曲を口ずさんでみると歌いこなすのはとても難しい事がわかります。こういう曲を自然にモノにしてしまうなんて、やっぱり宇多田ヒカルは凄いシンガーなんだと改めて感じました。
【コトリンゴ(KIRINJI)のコメント】
KIRINJIは「Keep Tryin'」をカバーしました。
とってもポップなのに、実際にカバーしてみると、メロディラインや言葉ののせ方がとても複雑で、とても難しかった!
宇多田さんの涼しいのに切ない声も、好きです。
好きな曲は色々あるのですが、「FINAL DISTANCE」は、PVも特に好きでした。デビュー15周年、本当におめでとうございます!
【田村玄一(KIRINJI)のコメント】
今回もほぼ完成した建物に塗装する程度の事しかしてませんが、良い色に塗れました。ご本人とは未だにお会いする機会に恵まれませんが、Cubic U名義のレアなCDにサインを頂きたいです。
【楠均(KIRINJI)のコメント】
今回はドラムスを上半身、下半身という風に分けて録りました。少し厳粛な儀式のような気分でした。そうすることでこの曲の一番柔らかい部分に触れることができたような気がします。応援歌のようにも聞こえるけれど、切なく優しい曲だと思いました。
【弓木英梨乃(KIRINJI)のコメント】
小学校の運動会では「Automatic」でダンスを踊り、中学生で初めて失恋したときには「ULTRA BLUE」を聴いて何度も泣き明かし、高校生になって自分で曲を作り始めれば楽曲の凄さに感動し、デビューしてからはその偉大さに驚くばかりでした。
宇多田ヒカルさんの音楽は、私の今までの人生にいつも一緒にあったなぁと思います。
今回参加させていただけて本当に嬉しく思っています。
【千ヶ崎学(KIRINJI)のコメント】
カバーするにあたり聴き直し、独特の世界に一瞬で引き込まれました。
曲はシンプルさと特異さを併せ持ち、歌詞はメッセージ性が強いにも関わらず、とてもポップで洗練された楽しさに溢れていると感じます。
とにかくバランス感覚が素晴らしいのですね。
ベースも細部にまでこだわり楽しく頑張って弾かせていただきました。
【ジミー・ジャム&テリー・ルイスのコメント】
もちろん、僕らはヒカルの大ファンなので、このトリビュートアルバムでコラボ制作をすることになって、まるで夢のようでした。
ソングライターやプロデューサーにとって、誰かの楽曲をカバーするというのはかなりの重責です。ですから、ヒカルらしいテイストの『Sanctuary』でカバー依頼があった時は、その責任の重さといったらありませんでした。
『Sanctuary』を聴いて、原曲の忘れられないメロディーに心を打たれました。そこでカバー曲では、演奏を大胆にアレンジしつつ、そういったところも残していけたらいいなと思いました。曲に込められた広がりや静けさが重要なため、伸びやかなボーカルパートを加えて楽曲を完成させるには、伝説のピーボ・ブライソンの特徴的なボーカルがぴったりだと感じました。
まずはヒカルが喜んでくれることを第一に、制作チームのパートナーとして“偉大な”ジョン・ジャクソンの力も借りながら、ピーボ・ブライソンと共に最高のカバー曲づくりを始めました。
そして最高のものに仕上がりました。ヒカルが気に入ってくれたら嬉しいですね。ファンの皆さんにはこの曲が彼女の豊かな曲づくりの才能を称えるにふさわしいものだと感じてもらえれば幸いです。
また近いうちに一緒に仕事ができますように。
【ピーボ・ブライソンのコメント】
ヒカルの音楽に出合ったのは、随分以前に大阪のエージェントから紹介されたのが初めてでした。以来ファンです。ジミー・ジャム&テリー・ルイスが彼女のトリビュートアルバムに収録する曲のレコーディングに誘ってくれた時は有頂天でしたよ。参加の機会に恵まれて本当に光栄です。
カバー曲ではヒカルらしさを残しつつ自分たちらしい曲づくりをしようと、かなり長い時間をかけてジミー、テリー、ジョンたちと一緒に取り組みました。うまく仕上がったと思うので、これからコンサートをやる時にはセットリストに加えようと思っています。
次回作ではデュエット曲をやりたいですね。まあ、多才で魅力溢れるヒカルとなら何でもOKなんですが。