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死後のデータ処分を仲介する「デジタル終活」がランクイン オールアバウトが「国民の決断2014」発表

2014年12月02日 16:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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オールアバウトは2014年12月2日、総合情報サイト「All About」が選ぶ「国民の決断2014」を発表し、東京・六本木で発表会を開催した。1位には「“空き家にさせない”実家対策」が選ばれた。

2013年の空き家率は13.5%で過去最高となり、首都圏でも2割にのぼる地域がある。「住まい」ガイドの大久保恭子氏は「空き家は今後も増え続ける。値下がりした古い一戸建てを、若いファミリー層がリノベーションして住むケースも増えるのでは」と予想している。

9つの部門で計27のテーマ抽出

「国民の決断」は、生活者にとって今年1年の特徴的なできごとを、専門家ガイド約870人が選定したもの。「住まい」「マネー」「転職・起業」「妊娠・出産」「老後」「消費・購買」「健康」「進学・就職」「結婚・離婚・再婚」の9つの部門で3つずつ計27のテーマを選び、All About編集部で順位付けした。

ネットユーザーの興味を引きそうなのが、5位の「オンラインでも身辺整理」だ。人生の終わりに備える「終活」の一環として、パソコンやスマートフォン内のデータやSNSのアカウントを、ユーザーの死後にどう処分するかというオンライン上の「身辺整理」に注目が集まっているという。

今年3月にはKitamura社が「ラストメッセージ」というサービスを開始。死後に家族や友人に依頼して、Eメールや画像などデジタルデータの消去や譲渡の手続きを仲介する。ヤフーも、ユーザーの死亡を確認すると有料サービスを停止して登録データを消去する「Yahoo!エンディング」を始めた。最大200人までお別れメッセージを自動でメール送信してくれる。

「葬儀・葬式」ガイドの吉川美津子氏は、「オンラインアカウントに関するサービスは、まだスタートしたばかり。身内に見られたくないもの以外はIDやパスワードをまとめて管理しておくことも必要かもしれません」とコメントした。

「やってみた」が消費を加速させる効果を指摘

6位の「"やってみた"を見て、買ってみた」は、ディズニー映画「アナと雪の女王」やAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」、ゲーム「妖怪ウォッチ」に関する歌や踊りの動画がネットに掲載され、それを見た人が消費を加速する現象を指摘したものだ。

キャリアに関するものとしては、8位に「本命狙いのポジティブな就職留年」がランクインした。2014年の春には卒業した大学生の「6人に1人が留年した」というデータもある。どの会社からも内定が得られない学生が多くを占めた数年前と異なり、「内定を得てもあえて留年して来年もっといい企業を目指そう」という学生が増えたという。

このほか、ランキング上位には入らなかったが、進学・就職部門の2位に「非ブラックな企業選び」が入った。「就職留年」と同様、V字回復している求人倍率の上昇を背景に「劣悪な条件で従業員に労働を強いる企業」に対する学生の抵抗感が現れている。その他、9位までのランキングは以下の通り。

1位:"空き家にさせない"実家対策
2位:増税前のやりすぎ購入
3位:ママ、もういちど働く
4位:新型出生前診断を受ける決断、受けない決断
5位:オンラインでも身辺整理
6位:"やってみた"を見て、買ってみた
7位:"健康寿命"を延ばすため、生活習慣を改善する
8位:本命狙いのポジティブな就職留年
9位:合コンより、アプリで恋活

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