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WEC最終戦:トヨタのダブルタイトル決定! ポルシェが復帰後初勝利を飾る

2014年12月01日 07:20  AUTOSPORT web

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2位/4位を獲得し、マニュファクチャラータイトル戴冠を決めたトヨタ。前戦で決定していたドライバーズタイトルも合わせてのダブルタイトル獲得となった。
WEC世界耐久選手権は現地時間11月30日、ブラジル・インテルラゴスで今季最終戦となる第8戦の決勝レースが行われ、14号車ポルシェ919ハイブリッドが優勝。ポルシェが参戦初年での優勝を決めた。また、トヨタは2位・4位に入ってマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、ダブルタイトルを達成。現役ラストランとなったトム・クリステンセンは3位となった。

 いよいよ最終戦を迎えた今季のWEC。トヨタのダブルタイトルもかかったマニュファクチャラーズタイトル争いや、9度のル・マンウイナー、クリステンセンの引退など様々なトピックスのあったこのレースは、曇り空のもと終始ドライコンディションで行われた。前日の予選では、ポルシェ同士のバトルを制して20号車がポールポジションを獲得し、14号車ポルシェ、8号車トヨタと続いている。

 迎えた6時間の決勝レースでは、20号車ポルシェがホールショットを決め、首位でオープニングラップを終える。一方、8号車トヨタは1周目で2番手に浮上。3番手に14号車ポルシェが続いていく。

 首位の20号車ポルシェは、序盤からファステストラップを刻みながらギャップを構築。その後方では、8号車と14号車が激しくバトルを繰り広げていく。開始から2時間が経過すると、2番手にはダブルスティントを選択した1号車アウディが浮上し、8号車と14号車は3番手を争う形となるが、バトルの中で8号車はLM-GTEアマクラスのマシンと絡んでスピン。これにより14号車の先行を許し、4番手まで後退する。

 8号車をパスした14号車は、1号車アウディも捉えて2番手につけると、首位の20号車の背後にまで接近。その差は1秒ほどとなるが、14号車は右リヤのパンクに見舞われてピットイン。これにより、14号車は他のマシンと比べてややピットのタイミングがずれることになった。

 一時はポジションを落とした8号車も、その後はハイペースで走行を続けてポルシェ勢に追い付き、首位を奪取。20号車はペースが落ち気味となりポジションを下げたため、8号車と14号車ポルシェが首位を争う展開となる。

 14号車は、レース残り50分を切ったところでピットイン。給油のみでコースへ復帰すると、残り40分で8号車がフルサービスを行ったところでトップに浮上。最後はこの2台がコース上で優勝を争うかに思われた。ただ、残り30分というところで、マーク・ウエーバーの駆る20号車ポルシェとLM-GTEアマクラスの90号車フェラーリ458イタリアが絡む大クラッシュが最終コーナーで発生。これによりセーフティカーが導入される。

 特に20号車は車体後部が大破する激しいクラッシュで、サーキットも一時騒然となるが、ストレッチャーに乗せられたウエーバーは手を振って無事をアピール。90号車をドライブしていたマッテオ・クレッソーニも自らマシンを降り、無事だった。ただ、両者の怪我の状況などは現在のところ分かっていない。

 その後、マシンの回収などが行われたが、レース再開には至らず、セーフティカー先導のもとでチェッカー。14号車がトップチェッカーを受け、ポルシェに参戦初年度での勝利をもたらした。2位には8号車が入り、トヨタは自力でマニュファクチャラーズタイトルを獲得。トヨタにとっては1999年の世界ラリー選手権(WRC)以来のマニュファクチャラーズタイトル獲得となった。また、前戦バーレーンで獲得した8号車のふたりのドライバーズタイトルに続き、WECでのダブルタイトルを決めることとなった。

 そして3位は1号車アウディが獲得。今回のレース限りでの現役引退を表明しているクリステンセンがチェッカーを受け、表彰台でも大きな声援が贈られた。

 4位に7号車トヨタが入り、スタートでパワーを失うトラブルが発生し一時は最後尾まで順位を落としたものの、追い上げて上位争いを見せた2号車アウディが5位となった。ハイブリッド非搭載のLMP1-Lクラスでは、ほぼノートラブルで走りきった13号車レベリオンR-One・トヨタが前戦に続く2連勝を飾っている。

 LMP2クラスでは、スタートから1時間が経過したタイミングで、G-ドライブ・レーシングの26号車リジェJS P2・ニッサンが、ストレートエンドでクラッシュしリタイア。また、レース後半にはSMPレーシングの37号車オレカ03R・ニッサンもコース脇にストップするなど2台が戦線を離脱することに。

 一方、KCMGの47号車オレカは、コースオフを喫する場面などはあるも、ほぼトラブルフリーで走行を続け、クラス優勝を飾ることとなった。2位には、ガレージに入れられる場面もあったものの完走を果たしたSMPの27号車オレカが入り、LMP2のチームタイトルを決めるとともに、セルゲイ・ズロービンがドライバーズタイトルを獲得している。

 LM-GTEプロクラスでは、ポールポジションからスタートした97号車アストンマーチン・バンテージV8が、終始上位争いを展開して優勝。2位には、こちらも上位での走行を続けた92号車ポルシェ911 RSR、そして3位に71号車フェラーリ458イタリアが入った。この結果により、GTのマニュファクチャラーズタイトルはフェラーリが獲得し、ポルシェの逆転戴冠はならなかった。

 LM-GTEアマクラスでも、僚友の95号車とともに終始レースをリードする形となった98号車アストンマーチンが優勝。95号車はコースをショートカットしたとしてドライブスルー・ペナルティを受けたものの、最終的には2位でフィニッシュしている。なお、エマーソン・フィッティパルディもドライブした61号車フェラーリは、途中スローダウンを喫する場面もあるも完走を果たし、クラス6位となっている。