ブラジル・インテルラゴスで開催されているWEC世界耐久選手権の今季最終戦。このレースに、1972年・74年にF1ワールドチャンピオンに輝いたブラジル人ドライバー、エマーソン・フィッティパルディが参戦している。そんなフィッティパルディに、今回のレース参戦について聞いた。
72年に初めてのF1ワールドチャンピオンを獲得し、74年にはマクラーレンに移籍して二度目の王座に輝いたフィッティバルディは、89年にはCARTでもチャンピオンに。96年、クラッシュによる負傷療養のため引退した形になったが、その後もモータースポーツ界で精力的に活躍し、2013年にはLMP2マシンのテストも経験。今回のWECインテルラゴス戦には、AFコルセの61号車フェラーリ458イタリアでLM-GTEアマクラスを戦う。
「僕は1970年代、アメリカでレースをしていて、ポール・ニューマンも同じレースに出ていた。彼とはとてもいい友達だったんだよ」と、俳優でレーシングドライバーとしても活躍したニューマンを引き合いに出して、今回の参戦について語ったフィッティパルディ。
「そのポールが、1994年にデイトナ24時間耐久レースでクラス優勝しただろう? 彼はその時、70歳になろうとしていたんだ。ハリウッド俳優である彼がその歳で優勝できるのに、今67歳の僕が勝てないってことはない。僕はプロのレーシングドライバーだったんだからね」
「それで、またレースに出たいなと思っていたんだ」
今回はLM-GTEアマクラスを戦うフィッティパルディだが、当初はLMP2クラスに参戦する計画もあったのだという。
「今回復帰する前、実はOAKレーシングのジャック・ニコレ(オーナー)と、LMP2でこのレースに参戦する計画を立てていて、事前にリジェ(JS P2)にも乗ったんだよ。でも、その計画は、最終的には実現しなかった」
「だけど、AFコルセから乗らないかというオファーをもらったんだ。フェラーリに乗れるのに、断る理由なんかなかったよ。実際に乗ったクルマも素晴らしかった」
67歳にもかかわらず引き締まった身体をしているフィッティパルディに、体型と体力維持の秘訣を聞くと「それは僕が和食を食べているからだよ」と意外な答えが返ってきた。
「玄米と小豆、ワカメを始めとする海藻類、味噌汁、番茶だね。肉はあまり摂らずに、魚を食べるようにもしている。砂糖も口にしないんだ」
「それに、毎日、妻の手作り弁当を持参しているんだよ。自分で持ってきたBENTO BOXがオフィスにあるんだ」
(Yumiko Kaijima/オートスポーツweb)