27日からアブダビのヤス・マリーナでスタートしたGP2合同テストに、ARTグランプリから参加している塚越広大。夜のセッションで31周を走り込んだ塚越に、走行後の感想を聞いた。
塚越は2004年にSRS-Fを首席で卒業。2005年にはフォーミュラ・ドリームで全戦ポール・トゥ・ウインという圧倒的な結果を残し、2006年から全日本F3に参戦。若手の登竜門と言われるF3マカオGPでは、07年に2位表彰台を獲得している。
08年からはヨーロッパに活動の場を移し、激戦区のユーロF3でランキング6位に。そのオフにはGP2のテストに参加し好タイムを連発していた。ただ、09年からは再び日本に戻りフォーミュラ・ニッポン、スーパーGTに参戦。ホンダ勢のトップドライバーのひとりとして多くの勝利を飾っている。
これまでも海外志向が強いと言われていた塚越だが、今回のアブダビテストにはARTグランプリから参加。松下信治が昼の走行でドライブしていた9号車を引き継ぎ、夜のセッション2を走行。31周を走り、初めてのコース、初めてのクルマ、タイヤで17番手となった。走行後、塚越にひさびさのGP2テストの感想を聞いた。
──以前もGP2のテスト経験がありますよね。当時と比較していかがでしょう?
「2008年秋のシーズンオフに参加しましたが、今とはタイヤが違っていましたし、あまりよく憶えていません。ただ、良いタイムを出したことは憶えています」
──当時はブリヂストンで現在はピレリ。どのような印象を持ちましたか?
「もちろん、印象は違います。ただ、みんなこれ(ピレリタイヤ)で走っているので条件は同じです。その中で、どのように扱えばいいのか考えながら走っていました」
──ピレリの評判は正直、あまり良くありません。
「夜のセッションだったせいでしょうか、みんなが言うほど変な動きとかはありませんでした。ただ、熱に対してはすごく敏感だなとは思いました。そのあたりのマネージメントは、ブリヂストンに比べるとすごくケアしてあげないといけないと感じました」
──タイヤ以外の部分で、スーパーフォーミュラSF14と比べていかがでしょう?
「スーパーフォーミュラの方が動きはスムーズですし、毎周、予選のようにプッシュできます。一方、GP2はタイヤのマネジメントがまずはいちばん大切です。また、GP2はパワーステアリングが付いていません。だから遅いコーナーはステアリングがすごく軽いけれど、速いコーナーは重くなる。同じダラーラとはいえ、スーパーフォーミュラのほうがちゃんとしているクルマだと思いました」
──初日メニューの確認ですが、最初は松下選手が使った中古ミディアムタイヤを履いてアウト~インしました。そのあとは新品ミディアムタイヤを履いてタイムアタック。プッシュとリラックスを繰り返しました。後半はロングランですか?
「後半は同じことの繰り返しでした」
──スタート練習はしましたか?
「いいえ。していません」
──テスト2日目は昼の午後0時から午後2時30分までと、少し気温の高い時間帯です。
「テスト1日目に学んだことを2日目に活かしたいですね。たぶん、タイヤには厳しくなると思います。でも、すごく面白いカテゴリーですし、サーキットも走れる機会がなかなかない場所ですし、その意味では良い経験をさせてもらっています。これを自分の力として、2日目は見た目の結果でちゃんと上にいけるようにしたいと思います」
──来年、GP2を戦いたいですか?
「チャンスがあればやりたい。もちろん、いろいろな条件が揃ってのことなので、走る以外のトレーニングも積んで、来季、どのカテゴリーで乗るにしても活躍できるようにします」