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西島秀俊・向井理「結婚報道」ショックで「きょうは会社休みます」は許される?

2014年11月27日 15:02  弁護士ドットコム

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人気俳優の西島秀俊さん(43)や向井理さん(32)の「結婚」があいついで報じられ、女性ファンから悲鳴が上がっている。西島さんは、16歳年下の27歳の一般女性と結婚することを11月19日に発表。向井さんは女優の国仲涼子さんと12月に結婚する予定だという。


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おめでたいニュースではあるが、「西島さん結婚」の報道が流れると、ショックのあまり「会社を早退します」とツイートするファンが続出。その2日後の朝、向井さんの結婚報道があると、「西島さんで深い傷を負ったのにその上向井理まで!!今日は会社休みます」といったツイートが投稿された。



ファンの中には好きなタレントが結婚したショックで、仕事が手につかないという人もいるだろう。「好きなタレントが結婚してショックを受けた」は、会社を休んだり早退する正当な理由にあたるのだろうか。労働問題にくわしい大山弘通弁護士に聞いた。



●有給休暇を利用すればよい


「そもそも、労働者は、年次有給休暇という、理由に関係なくいつでも休むことができる権利があります(労働基準法39条)。この権利を行使すれば正当な理由かどうか関係なく、休んだり、早退したりすることができます」



有給休暇は、どんな場合に取得できるのだろう?



「この、年次有給休暇の権利は、6か月以上継続勤務し、8割以上出勤していれば、向こう1年間で10日以上、賃金をもらいながら休めるという制度です。



パートやアルバイトのような短時間勤務の労働者でも、日数は少なくなりますが年次有給休暇を取得できます。



ただ、年次有給休暇は、2年間で時効となってしまい、それ以上に繰り越すことができません。しかも、日本での有給休暇の取得率は50%にも満たない低率です。このような年次有給休暇の制度を利用しない手はありません。



年次有給休暇の取得にあたっては、理由を告げる必要はありませんので、今回のような場合であっても当然に休むことができます」



早退はどういう扱いになるのだろう。



「会社が労働組合などと協定を締結していれば、『時間単位』で年次有給休暇を取得することが可能です(労働基準法39条4項)。つまり、『午後から休む』という早退も可能です」



●会社が困ると休めない?


芸能人の結婚は突然報じられるが、その日に「きょうは会社休みます」「早退します」と言って、休めるのだろうか。



「会社としては、従業員が突然休むと困る場合もあるでしょう。



有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、会社は有給休暇の取得時期を変更するよう従業員に要求することができます(労働基準法39条5項)。



このように会社が取得時期の変更を要求した場合、有給休暇を取得できないことに注意が必要です」



有給休暇以外に、今回のようなケースで会社を休む方法はあるのだろうか。



「有給休暇以外で、芸能人の結婚を理由として会社を休んだり、早退したりできるかは、勤務先の会社での就業規則がどうなっているかなどの個別の事情によります。



そのため、なんとも言えませんが、一般的な社会通念に照らすと、休んだり、早退したりする正当な理由とはいいにくいですね。



ただ、最近は、失恋した場合に休暇を認める『失恋休暇』を設けている会社もあるようです。



このような会社であれば、大好きなタレントの結婚は『失恋したも同然』として、会社を休む正当な理由があることになるでしょう」



大山弁護士はこのように指摘していた。二人の結婚が報じられてから一週間。女性たちの心の傷が癒えたことを願うばかりだ。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大山 弘通(おおやま・ひろみつ)弁護士
労働者側の労働事件を特に重点的に取り扱っている。労働組合を通じての依頼も数多く、もちろん個人からの相談も多い。労働事件は、早期の処理が大事であり、早い段階からの相談が特に望まれる。大阪労働者弁護団に所属。
事務所名:大山・中島法律事務所
事務所URL:http://on-law.jp/