WEC世界耐久選手権のLMP1-Hクラスに参戦しているトヨタは、来季のマシンにスーパーキャパシタに代わってバッテリーを搭載する可能性を否定しなかった。
メーカーワークスにハイブリッドシステムの搭載を義務付けるなど新たな車両規則が導入された今年のLMP1クラスに、TS040ハイブリッドと命名された2台のマシンを投入しているトヨタ。このTS040ハイブリッドは4輪で回生と力行を行い、エネルギー貯蔵システムには、短時間に電気を出し入れする能力に優れたスーパーキャパシタを採用している。
トヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)のテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、来季のTS040ハイブリッドも今季のコンセプトを引き継いだものになると語ったものの、エネルギー貯蔵システムに関しては明言を避けた。ただ、バッテリーへの転換の可能性は探っているのだという。
「バッテリーを導入する最適なタイミングを決めるため、我々は両者の技術を常に比較しているんだ」とバセロン。LMP1-Hでは、ポルシェがエネルギー貯蔵にリチウムイオンバッテリーを採用している。バッテリーは、キャパシタと比べると電気を瞬時に出し入れする能力には劣るが、より多くの電気を蓄える能力に優れている。
「バッテリーは、長い間我々の念頭にある。バッテリーが本当にキャパシタを上回るような開発を待っているんだ」
また、今季はここまで7戦中5勝という圧倒的な戦績を残しているトヨタだが、来季に向けての進歩は欠かせないものになるとバセロンは語る。
「来年、ライバルたちは大きな前進を果たしたパッケージを投入してくることは分かっている。今年の状態で我々が生き残れるとは考えていないよ」
「我々も進歩する必要があるし、その目標もあるんだ。ただ、全てを変えて真っ白な状態からやり直すということはしないけどね」
なおトヨタは、2015年の初めには来季仕様のTS040ハイブリッドでの走行を行う予定だということだ。