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F1現地直送:ライバルチームも注目する、新生マクラーレン・ホンダの船出

2014年11月26日 23:10  AUTOSPORT web

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マクラーレン・ホンダが参加するということで、例年以上に多くのメディアがテスト取材のためアブダビに残っている
アブダビ合同テスト期間中、ピットレーンを歩いていると、チーム関係者に何度か呼び止められ、ある質問を受けた。それは「ホンダは、どんな具合か?」というものだ。

 レギュラードライバーが数名しか参加しないにもかかわらず、今回のアブダビ・テストには多くの海外メディアが居残って取材を続けた。最大の目的がホンダの復活だったことは言うまでもない。イタリアのテレビ局RAIのテスト初日のトップニュースは「マクラーレン・ホンダ」だったことが如実に物語っている。F1中継のレポーターを務めるステラ・ブルーノも最終的にイタリアの編集サイドがホンダ初走行をF1ニュースのトップで扱ったことに驚いていた。

「というのも、イタリアでF1の中心はフェラーリ。しかも、テスト初日となった11月25日にはフェラーリのガレージにベッテルが訪れ、その模様も私たちのテレビカメラはキャッチしていたんです。蓋を開けてみれば、F1のトップニュースはフェラーリ&ベッテルではなく、ホンダの初走行。でも、視聴者の反応は上々だったらしいです。おそらく、ホンダというより、マクラーレン・ホンダの復活に視聴者は興味を示したんでしょう。何しろマクラーレン・ホンダといえば、アイルトン・セナ。今でもセナはイタリアで絶大な人気を誇っていますからね」

 ホンダのニュースに負けてしまったフェラーリのパット・フライ(シャシーディレクター)も、ホンダの復活には特別な思いを馳せている。

「ホンダが最強だった1988年に、私はベネトンで彼らを相手に戦った経験があるからね。あの時の強さといったら、今年のメルセデスなんて比較にならない。とにかく予算と人員、双方のかけかたが半端じゃなかった。しかも、再びパートナーを組む相手はマクラーレンだ。彼らはここ2年苦しんでいるが、私はマクラーレンにも在籍していたから、彼らがそんなに長い間、失敗し続けたりしないチームだっていうことはわかっている。間違いなく我々にとって驚異的な存在になるだろう」

 多くのグランプリ関係者がホンダに特別な思いを寄せる一方で、現実的な見方をしている者もいる。レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは興奮気味のメディアに、こう言って釘を刺した。

「今はもう80年代じゃない。2013年まで最強だった我々レッドブルもパワーユニットが変更された今年、突然失速した。この世界で、昨日までの栄光は未来に向けてなんの保証にもならない。もちろんホンダが勝てないなんて言うつもりもない。勝てるパワーユニットを準備できれば勝てるし、それができなければ我々のように苦労するというだけだ」

 ホンダは初日に続いて、2日目もトラブルに悩まされている。ついにアブダビ・テストでF1に復帰したホンダ。果たして、最強伝説を復活させることはできるのだろうか。

(尾張正博)