GP2シリーズに参戦するARTグランプリは26日、チームの公式Twitter上で、11月27日~29日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催されるGP2合同テストに、F1マクラーレン・ホンダのテストドライバーを務めているストフェル・バンドーンに加え、塚越広大と松下信治を起用すると発表した。
ARTグランプリは、過去にニコ・ロズベルグやルイス・ハミルトン、ニコ・ヒュルケンベルグを王者に導いたGP2のトップチームのひとつ。今季からチームはマクラーレンとホンダのジュニアチームとして活動しており、バンドーンと伊沢拓也を起用。バンドーンがシリーズ2位に入った。
チームはGP2アブダビラウンドで今季のシリーズを終えたばかりだが、27日からスタートするGP2合同テストに向けて、Twitter上で走行1日目の起用ドライバーを発表した。そこにはバンドーンとともに、「ふたりの日本人ドライバー、塚越広大と松下信治を起用する」と記されている。
塚越は1986年生まれの28歳。全日本F3を経てユーロF3にも参戦し、2009年にスーパーGT/フォーミュラ・ニッポンに参戦を開始し、2012年はFニッポンの、13年はスーパーGTのチャンピオンを争うなど、国内ではホンダ勢の中心ドライバーのひとりとして名を連ねている。カート時代やフォーミュラ・ドリーム時代から天才肌と言われ、国内トップカテゴリーでも驚異的なマシンコントロールを披露してきた。08年オフにはGP2テストも経験している。
一方の松下は、1993年生まれの21歳。2014年の全日本F3チャンピオンで、カート時代から多くの王座を獲得し、2011年に鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラを首席で卒業。フェラーリ・ドライバーアカデミーへの参加実績もあり、今季はF3参戦2年目で山下健太、高星明誠らのライバルを下し、チャンピオンを得た。
マクラーレンとホンダが進めるドライバー育成のために、塚越か松下が来季GP2に参戦するのか、はたまた伊沢を含め複数ドライバーがGP2に参加するのか。今回のテスト参加は国内の移籍マーケットにも大きく影響を与えそうで、その去就に注目が集まりそうだ。