25日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで幕を開けたF1合同テストは、ウイリアムズのバルテリ・ボッタスが初日のトップタイムをマークした。
週末のグランプリ同様、快晴に恵まれた初日のヤス・マリーナ。この日、フェラーリのガレージには、先日スクーデリアとの3年契約を発表したセバスチャン・ベッテルも姿を見せ、チームスタッフらと笑顔で挨拶を交わした。彼はレッドブルとの契約上、今回のテストでフェラーリをドライブすることはできない。
その一方、早くも公式テスト初参加となったのが新生マクラーレン・ホンダだ。チームは、ホンダの新V6パワーユニットを搭載した開発用テストカー『MP4-29H 1X1』を予定通り持ち込んできたが、期待されたデビューランは、テストが開始後も一向に訪れる気配がなく、ようやくコースインしたのが午後の3時過ぎ。電気系にトラブルの疑いが生じたマシンは、チームの入念なチェックを経て、なんとかインスタレーションラップを完了した。
結局、この日のマクラーレン・ホンダは、2度目の走行でもコース上にストップ。最後の1時間で再び走行にこぎ着けたものの、ストフェル・バンドーンが走れたのはわずか3周。タイムは記録できなかった。
テストは、2日前のレースで表彰台に登ったウイリアムズのボッタスが最速タイムをマーク。スーパーソフトで午前中のベンチマーク、1分43秒884を記録したボッタスは、午後の大半もタイムシートのトップに君臨し、残り15分で1分43秒396をマーク、今年最後の走行をトップで締めくくった。
新チームメイトのベッテルが見守るなか、フェラーリF14 Tをドライブしたキミ・ライコネンが2番手。ボッタスを1周上回る81周を重ねたライコネンは、午後のスーパーソフトでトップからコンマ4秒差の1分43秒888を記録し、この日最多の114周を走破したニコ・ロズベルグのメルセデスを逆転した。
4番手は、今年のGP2チャンピオン、ジョリオン・パーマーがドライブしたフォース・インディアとなった。彼は、エンジントラブルでわずか37周にとどまったが、最後の走行でレッドブルRB10を駆るカルロス・サインツJrと、最終戦で小林可夢偉のチームメイトを務めたケータハムのウィル・スティーブンスを上回るタイムを記録した。
ロータスのシャルル・ピックが7番手で続き、来年からザウバーをドライブする元ケータハムのマーカス・エリクソンが8番手。午前中にフロントサスペンションのトラブルでクラッシュを喫したトロロッソのマックス・フェルスタッペンは、午後のセッション終盤にも赤旗を出したが、周回数は55周まで挽回している。
テストは、明日2日目が最終日となる。