2015年からWEC世界耐久選手権へのフル参戦を発表しているエクストリームスピード・モータースポーツ(ESM)が、北米ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)での来季プログラムを発表している。
アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)で活躍していたESMは今季、ALSMとグランダムの統合により今年からスタートしたユナイテッド・スポーツカー(USCC)に参戦。LMP2勢にとっての初勝利を挙げるなど速さを見せたほか、WECのオースティン戦と上海戦にもスポット参戦し、表彰台を獲得している。
来季はHPDが開発している新たなクローズドLMP2『HPD ARX-04b』を2台導入し、WECにフルエントリーすることを発表しているESMだが、USCCでは『ノースアメリカ・エンデュランス・カップ(NAEC)』のタイトルがかかった4戦に参戦することになった。
ESMチームをサポートするテキーラ・パトロンがスポンサーを務めるNAECは、デイトナ24時間、セブリング12時間、ワトキンスグレン戦、プチ・ル・マンの4戦で構成されている。WECのカレンダーと重ねてみると、ル・マン24時間の2週間後にワトキンスグレン戦、そして10月のWEC富士の1週間前にプチ・ル・マンが開催されることとなっており、そのあたりのスケジュールがタイトになる。
「ワトキンスグレン戦はこなせると思う。荷物の発送をかなりうまくやらなくてはならないけどね」と語るのは、チームの共同オーナー兼ドライバーのスコット・シャープ。
「プチ・ル・マンと富士の両方を戦うのはタイトになるよね。3台目のシャシーを使う可能性もある。どうするか考えなくてはならないが、異なる方法もあるんだ」と語るシャープは、この状況にあたって今季使用しているHPD ARX-03b・ホンダを投入する可能性も排除しなかった。またシャープは、この問題にどのように対処するかで、それぞれのチャンピオンシップでのESMのポジションが左右されるだろうと語っている。
WECではチームを共同所有するシャープとエド・ブラウンに加え、ライアン・ダルジール、ヨハネス・バン・オーバービークがドライバーとしてラインナップしているESM。USCCも同様のラインナップになるのかと尋ねられたシャープは、「必ずではないが、異なるドライバーが起用されるかもしれない」とコメントしている。
またシャープは、現在のところHPD ARX-04bでの走行は行われていないものの、デイトナ24時間にはこの新たな車両で臨みたいと語った。マシンのシェイクダウンは、12月はじめに予定されているということだ。
「WECへの準備として、ニューマシンを早く仕上げなくてはならない。だから、デイトナや(デイトナ公式テストとなる)ロアテストに参加しなくてはならないんだ」