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【レースレポート】ハミルトンが完勝。ウイリアムズ2台が表彰台、可夢偉リタイア/F1最終戦アブダビGP決勝

2014年11月24日 03:00  AUTOSPORT web

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ウイニングランでファンの声援に応えるルイス・ハミルトン(メルセデス)
2014年のF1最終戦、第19戦アブダビGPは23日(現地時間)、当地のヤス・マリーナ・サーキットで55周の決勝が行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今季11勝目、通算33回目となるトップチェッカーを受け、2008年以来2度目となるF1ワールドチャンピオンに輝いた。

 2014年のチャンピオン決定戦となったアブダビGPは、現地時間午後5時スタートのトワイライトレースとして行われ、シーズンのラストを飾る幻想的なクライマックスを迎えた。

 注目のスタートでは、フロントロウに並んだシルバーアローの2台が早くも明暗を分けてしまう。「今季一番のスタートだった」とレース後に振り返った2番グリッドのハミルトンが抜群の加速を見せたのに対し、ポールシッターのニコ・ロズベルグは、スタート直後の蹴り出しが鈍り、チームメイトの後方2番手からレースを進めることになった。

 トップに立ったハミルトンは、オープニングラップで早くも1.2秒のギャップを築くと、その後も周回毎にロズベルグとの差を少しずつ拡大。その2台の後ろには、4番手スタートのフェリペ・マッサが少し間を置いて続いたが、3番グリッドのバルテッリ・ボッタスはロズベルグと同様にスタートに失敗し、8番手までポジションをダウン。代わってジェンソン・バトンが4番手につけ、5、6番手からフェラーリの2台が追いかける展開となった。

 レースは5周目のアロンソを皮切りに、スーパーソフトタイヤを装着する上位勢が最初のピットストップに入っていく。ここでトップを争う2台は先頭のハミルトンが約3秒弱のリードを保って10周目にピットイン。翌周にロズベルグが続き、セカンドスティントのバトルに移っていった。しかし、2番手でコースに復帰したロズベルグが23周目にコースオフを喫すると、その2周後に今度はエンジンパワーの不調を訴える。
 エネルギー回生システムにトラブルを抱えたロズベルグは、これで一気にハミルトンから遅れ始め、快調なペースで単独3番手を走るマッサのウイリアムズにも易々とオーバーテイクを許してしまう。

 これでレースは、31周目に2度目のピットインを終えたハミルトンが完全に後続との差をコントロール。終盤は最後のスティントでスーパーソフトを履いたマッサの追い上げを許したものの、勝利を確信したハミルトンはクルージングランのなか、トップでチェッカー。一方、終盤は明らかなペースダウンで次々にポジションを落としたロズベルグは無線でリタイアを指示されるも、最後まで走りきると返答。結局、周回遅れの14位に終わったロズベルグは、ダブルポイントの恩恵も活かせず、悲願のタイトル獲得は果たせなかった。

 2位フィニッシュのマッサに続いたのは、得意のストレートスピードでスタートのミスを挽回したバルテッリ・ボッタスとなり、ウイリアムズが今シーズン初のダブル表彰台を獲得。また、予選結果を抹消されピットレーンスタートを強いられたレッドブルのダニエル・リカルドも、長めのファーストスティントを走る戦略を決めて4位を手にした。

 マクラーレンのバトンが5位。フォース・インディアの2台が6位と7位で続き、レッドブルでのラストレースとなったセバスチャン・ベッテルが8位。同じくフェラーリ最後のレースとなったフェルナンド・アロンソが、キミ・ライコネンを上回る9位でフィニッシュしている。

 3戦ぶりの復帰レースとなったケータハムの小林可夢偉は、パフォーマンスの劣るマシンにも関わらず粘り強い走りを披露。ライバルのピットストップの間には一時、トップ10圏内近くまで迫ったが、42周目の終わりでガレージイン。完走の願いもむなしく、リタイアで今年最後のレースを終えた。