21日、ヤス・マリーナ・サーキットで幕を開けた2014年F1第19戦アブダビGPのフリー走行1回目は、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。
今年もトワイライトレースとして開催される今シーズン最終戦のアブダビは、ファーストセッションのFP1が現地時間の13時から、2回目のFP2は17時から行われる。FP1開始時の天候は快晴、気温26度、路面温度は45度を記録した。
今回のアブダビは、F1史上初となるダブルポイントが適用されるため、選手権リーダーのルイス・ハミルトンは17ポイントのリードがあるものの、ランキング2位のニコ・ロズベルグにも逆転タイトルの可能性が残されている。
アブダビに持ちこまれたタイヤはソフトとスーパーソフト。FP1では、3戦ぶりの復帰を果たしたケータハムが、契約解除でチームを離れたマーカス・エリクソンに代えて23歳のイギリス人、ウィル・スティーブンスを起用。ロータスも、今季のヨーロッパF3王者に輝いたエステバン・オコンがロマン・グロージャンのE22をドライブし、ザウバーもエイドリアン・スーティルに代わって中国人ドライバーのアデリー・フォンがC33に乗り込んだ。
セッションでは、序盤から多くのマシンが順調に周回を重ねる一方で、ウイリアムズの2台とマクラーレンのジェンソン・バトン、さらにスティーブンスのマシンにはトラブルが発生。ボッタスは走行中に右のエンジンカウルが脱落し、早々と走行を断念することになると、同じようなトラブルを抱えていたフェリペ・マッサも修復作業が必要となり、わずか7周で最初のセッションを終えることになった。
バトンのマシンにトラブルが発生したマクラーレンは、今回のアブダビにレッドブルから移籍したピーター・プロドロモウ主導の新たな空力コンセプトを反映したアップグレードパーツを導入。ケビン・マグヌッセンが最初の走行で計測用の空力キットを搭載してデータ取りに励んでいた。
スティーブンスは消火器のトラブル。残り15分というタイミングでコース復帰が叶ったルーキーはトータル14周を走行し、可夢偉から2.7秒遅れの1分50秒台のタイムとなった。可夢偉は、序盤にテレメトリーの不具合があったものの、最終的には24周を重ねることに成功している。
FP1トップは、最多の32周を走ったハミルトンで、2番手ロズベルグをコンマ1秒上回る1分43秒476を記録。3番手につけたフェルナンド・アロンソには1.7秒という大きなギャップを築いている。
4番手は、終盤ダウンシフトの不具合を訴えたレッドブルのセバスチャン・ベッテルでチームメイトのダニエル・リカルドが5番手。6、7番手にはジャン-エリック・ベルニュとダニール・クビアトのトロロッソ勢が続いている。