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ネットで注目のサイト「アグレッシブ離婚」 なぜ作ったのか、制作者に聞いてみた

2014年11月21日 18:31  弁護士ドットコム

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明るい離婚で、明るい未来に――。こんなキャッチコピーがつけられた「アグレッシブ離婚」という名前のウェブサイトが登場し、ネットユーザーの注目を集めている。ネットで簡単に離婚に向けた手続きが進められるサービスだというが、だれがどんな目的で作ったのか。制作者に聞いてみた。


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●「怪しいサイトではないか」といぶかしむ声も


サイト上の解説によると、「アグレッシブ離婚」の手順は次のような流れだ。



(1)離婚する相手の「電話番号」「メールアドレス」「別れの言葉」を入力する


        ↓


(2)入力欄の下にある<離婚する>と書かれたボタンをタップする


        ↓


(3)相手に電話がかかり、「離婚を承諾するかどうか」をキー入力で選択させる


        ↓


(4)相手が承諾した場合、送信者のもとに「離婚の承諾を得ました」というメールが届く


        ↓


(5)コンビニへ行き、プリンターで「離婚届」をプリントアウトする



図解入りの説明を見たネットユーザーから賛否両論の反応がみられた。はてなブックマークでは、「これはいろいろ便利そう!」「実用的」と肯定的にとらえるコメントも多くみられたが、「個人情報を取得するのが目的では?」と、怪しいサイトではないかといぶかしむ声もあった。



11月21日現在、<離婚ボタン>はすでに外されており、画面上には、「注:こちらはハッカソンのデモ用のサイトで、実際に運営しているサービスではありません」と表示されている。残念ながら、現在は、サービスを利用できない状態だ。



タイトルのインパクトも含め、注目を集めた「アグレッシブ離婚」。このサイトは、どういった意図で作られたのか。制作者である釘宮慎之介さんに話を聞いた。



●「重たい」離婚を「手軽」なものにしたかった


――「アグレッシブ離婚」は、どういった意図で作られたのでしょうか。



11月15日と16日に開催された「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」というソフトウェア開発のイベントで、仲間と3人で、1日かけて作成したものです。そのイベントで1日限りで運用したサイトなので、現在はサービスを利用することができません。



――1日しかサービスを運用していなかったのに、大きな反響があったようですね。



はい。ただ、いい反応だけではありませんでした(笑)



クリックしても何も起こらないのですが、イベント後もしばらくの間<離婚ボタン>が残っていたんです。



そうしたら、「ボタンを押しても相手に通知が行かない、個人情報がとられただけではないか」といったウワサが広がって、炎上しそうになったんです。イベントに出品した「作品」であることを知らない人から見ると、怪しいサイトに映ったのでしょう。



それで、ボタン自体も押せないようにして、下に「押したら本来はこうしたことになりますよ」という説明を載せました。



――当日(16日)は実際に相手に送ったり、離婚届けを印刷できたりしたんですか?



はい、実際に利用できました。ただ、時間がなくて不完全な点も多かったのも確かです。現状のままだと、本人確認ができないので、全くの他人が配偶者を装って使用することができます。また、実際に印刷される離婚届けも、白紙のままでした。



――現状ではいろいろと問題もあるようですね。今後、「完全版」として、運用を再開する予定はないのですか。



今のところ考えてないです。イベントのために、1日だけのつもりで作ったものなので。



――釘宮さんが今回の企画を考えたようですが、なぜイベントの作品で、「離婚」をテーマにしようと考えたのですか。



結婚・離婚って、手続きだったり、周囲との関係だったり、いろいろと「重たい」イベントじゃないですか。それを、もっと「手軽」にできないかなって考えていたんです。



結婚しても上手くいかなかったとき、もっと気軽に離婚できないのかなと、疑問に思っていました。「バツイチ」といった呼び方もそうですけど、離婚した人が「何か良くないこと」をしたようにみる空気も、好きではありません。



会社に入っても、その会社に合わなかったら、転職しようと考えるでしょう。それぐらい気軽に離婚できたらいいな、と思って「アグレッシブ離婚」を作りました。



――実際に「アグレッシブ離婚」のサイトが運用されていて、釘宮さんが離婚を考えていたら、このサイトを利用して離婚しようと思いますか。



僕は、まだ結婚していません。ただ、もし結婚して、離婚を考える事態になったとしても、このサイトを利用したいとは思いません(笑)。そこは、相手としっかり話し合って決めようと思います。


(弁護士ドットコムニュース)