ケータハムF1チームは20日、イギリス人ドライバーのウィル・スティーブンスを今週末のアブダビGPでレースドライバーに起用することを発表した。
深刻な財政難の末、経営破綻に陥ったケータハムは、アメリカGPとブラジルGPを欠場したものの、管財人の管理下のもと、クラウドファンディングを利用してファンから参戦資金を調達。最終戦アブダビGPへの復帰参戦を表明し、今季レースドライバーを務めていた小林可夢偉をエントリーした。
しかし、もう一人のドライバーで、今月始めにザウバーとの来季契約を発表したマーカス・エリクソンは、ちょうど一週間前にケータハムとの契約をすべて解除したと宣言。これによりチームは、エリクソンに代わる新たなドライバーを探す必要に迫られていた。
エントリーが締切られるこの日、ケータハムは今季のフォーミュラ・ルノー3.5に参戦し、2勝を挙げた23歳のスティーブンスを可夢偉のチームメイトとして起用することをアナウンスした。
スティーブンスは以前から、ケータハムの若手ドライバープログラムであるケータハム・レーシング・アカデミーに属しており、2013年の若手ドライバーテストに加え、今年のシルバーストンテストでもケータハムのF1マシンをドライブ。2014年型CT05では500km以上、トータルでは1100km以上を走り込んでおり、F1出走に必要なスーパーライセンスも取得しているという。
ケータハムのエンジニアリング・オペレーション責任者、ジャンルカ・ピサネロも、スティーブンスがシミュレーターで多くの時間を過ごし、今年のシルバーストンテストで示したレースペースを評価するコメントを発表した。
チームは、複数の候補のうち、最有力に挙げていたスティーブンスと先週の時点で契約したものの、FIAからスーパーライセンスがおりるのを待たなければならなかったと、発表の遅れを説明している。