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「1人ファミ飲み」で寝入るおじさんに店員困惑 救急隊も駆けつけたが…

2014年11月20日 12:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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今年も残すところ1か月とちょっと。外でお酒を飲む機会も増えるころです。最近は居酒屋だけでなく、ファミリーレストランで宴会する「ファミ飲み」なんて言葉もあり、お酒をあまり飲まない人も一緒に楽しめると好評のようです。

「酒は百薬の長」と言いますが、それはあくまで適量の話。今回は、ファミレスに勤めていた私の友人の実体験です。時間は午後2時過ぎ、ランチタイムのピークが過ぎて店が落ち着きを取り戻したころ、40代くらいのおじさんが1人でやってきたそうです。

もしかして急性アル中? 脳梗塞?

おじさんは平日の昼間にもかかわらず、ワインのボトルを注文し、ハイペースで飲み始めました。30分ほど経つころには、ボトルがほとんど空き、見るからに赤ら顔のおじさんができあがりました。しばらくして、おじさんがピンポンボタンで呼び出します。

「いやーころ、ほんろうに良い店だい。で、ろいれどこ」

おじさんは完全にろれつが回っておらず、何度か聞き返し、ようやく「トイレの場所を聞いているようだ」ということが分かりました。足元がふらつくおじさんを誘導し、何とかトイレまで案内しました。

ここまで酔った後のトイレですから、飲食店経験者であれば言いようのない不安が募ります。ところが3分ほどでトイレから出てきたおじさんは、すんなり席に戻りました。

友人は急いでトイレを見に行きましたが、特に変わった様子はありません。他の従業員もほっと一息。しかし安心したのも束の間、今度はおじさんが席で眠りこけ、大イビキをかきはじめました。あまりに大きな音に、他のお客様も気にしているようです。

従業員としては、このまま無視するわけにはいきません。友人は「お客様、お客様!」とおじさんの体をゆすりましたが、全く起きる気配がありません。

お酒が入ってこの状態ですから、急性アルコール中毒の可能性も頭をよぎります。ろれつが回らず、いびきをかくとなると、脳梗塞のおそれだってあります。

店の外にはパトカーと救急車が

起きる気配のないおじさんに不安を感じ、友人は救急車を呼ぶ決断をしました。しばらくして救急隊が到着し、おじさんの介抱が始まりました。しかし救急隊員の答えは、

「この方は急性アルコール中毒ではないようです。これではどうしようもないですね」

という拍子抜けしたもの。実際に何かしらの症状がないと、救急隊員も病院に連れていけないというのです。困った友人は警察も呼ぶと、警官は「このままでは確かに営業妨害になるな」と理解を示してくれたそうです。

救急隊員、警察合わせて5人の大人たちが、どうやっても起きない酔っ払い1人を取り囲む異様な光景ができあがりました。店の外には、パトカーと救急車が止まっている物々しい雰囲気ですから、事態を知らない人から見ると「何か問題があった店」にしか見えません。

このままでは、店の営業に深刻な悪影響が出る――。友人が困り果てていると、それを見かねた救急隊員のひとりが、おじさんの飲食代を立て替えたうえ、「急性アルコール中毒の疑い」というテイでおじさんを病院に搬送してくれたそうです。友人は「本当に助かった」と言っていました。

後日、このおじさんは菓子折りを持って店に謝りに来たそうです。お代はちゃんと救急隊員に支払ったとか。私も居酒屋で働いていた身ですから、声を大にして言いたいです。皆さん、外で飲むお酒はほどほどにしましょうね。

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