11月30日にブラジルのインテルラゴスで決勝レースが開催されるWEC世界耐久選手権最終戦に、1972年・74年にF1ワールドチャンピオンに輝いたブラジル人ドライバー、エマーソン・フィッティパルディが選手として参戦することになった。
フィッティパルディは1970年にロータスからF1に参戦。ロータス72を駆り1972年に初めてのワールドチャンピオンを獲得し、74年にはマクラーレンに移籍。M23で二度目の王座に輝いた。その後コパスカーに移籍すると苦戦し、一度はレーシングドライバーを引退するが、1984年にアメリカに渡りCART参戦。89年に史上ふたりめとなるF1とCARTの両王座を獲得する偉業を達成した。
そんなエマーソンは1996年のミシガンでクラッシュし、負傷療養のため引退した形になったが、その後はA1グランプリのチーム代表を務めたり、WECブラジル戦でも精力的に活躍。2008年にはブラジルでポルシェ911 GT3カップをドライブしたほか、2013年にはLMP2マシンのモーガン・ジャッドをテストしていた。
今回、エマーソン・フィッティパルディはLM-GTEアマクラスに参戦するAFコルセの61号車フェラーリ458イタリアを、アレッサンドロ・ピエール-グイディとジェフリー・セガールとともにドライブすることになり、新たにエントリーリストにも名が加えられた。
チーム代表のアマト・フェラーリは「エマーソンは私が若い頃のヒーローだった。チームに迎えることができて本当に嬉しく思うよ」と語った。
「残念ながら事前にテストをすることはできないが、彼はすごくモチベーションが高いようだし、いい結果を残してくれると思うよ」
ブラジル人ドライバーの草分け的存在であるフィッティパルディはすでに67歳。LMP1クラスではトヨタのダブルタイトル等に注目が集まるレースだが、元ワールドチャンピオンの健在ぶりにも注目だ。