2014年11月19日 20:31 弁護士ドットコム
2020年に開かれる東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設案について、「将来の東京は『粗大ゴミ』を抱え込むことになる」と苦言を呈している建築家・磯崎新さんが11月19日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。磯崎さんは、皇居に隣接した「二重橋前」の広場で開くことを提案した。
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新競技場をめぐっては、建築家のザハ・ハディドさんが設計したデザインに対して、日本スポーツ振興センターから修正案が出されている。しかし磯崎さんは11月5日、報道各社に向けて意見書を発表し、「まるで列島の水没を待つ亀のような鈍重な姿」と批判していた。
磯崎さんは、この日の会見で「開会式などのセレモニーがおこなわれる場所と、実際の競技をおこなうスタジアム(新国立競技場)を同じにしようとしているが問題だ」と指摘。新国立競技場は「競技に特化した施設」にして、セレモニーは、二重橋前の広場で開くよう提案した。
その理由について、磯崎さんは「アリーナ会場でのセレモニーは前世紀のフォーマット。それでやらなければいけない理由はない」と説明。「21世紀の五輪を考える場合、10万人の閉ざされたスタジアムではなく、10億人がライブ中継で見るものと考えるのが常識だ」と述べ、テレビやネット中継をより意識したプランを重視するよう訴えた。
磯崎さんは、意見書の中でも、「江戸城の堀、石垣、櫓を背景にして、競技場フィールドより広い舞台を前に立体的な桟敷を設ける。約12万人収容可能。50に分解できる。終了後、全国各県にオリンピック記念公園(競技場)をつくり分散移設。空中を飛翔するカメラをはじめ、あらゆる角度からの映像を全世界に流す」と広場を使ったプランを提案している。
会見では、「建築の問題だけというよりは、全世界に情報をつないでいくという大きな問題としてとらえるべきだ」と理念を語った。
(弁護士ドットコムニュース)