F1は、今週末のアブダビで論争を巻き起こす恐れのあるダブルポイント・システムを、わずか一年たらずで廃止する方向に向かっている。
今年、新たに採用された最終戦のポイント2倍システムは、今週末のF1最終戦アブダビGPを前にすでにファンや関係者から大きな反発を受けている。
この制度は、「選手権に対する集中をシーズンの最後まで最大限に維持するため」に今年のレギュレーションに組み込まれたが、合意当初から賛否両論を呼んできた。
しかし、17ポイント差で迎える王座決定戦を前に、このダブルポイント・システムは失敗したと言えるだろう。ここまで、5勝を挙げたニコ・ロズベルグの2倍の勝利数を重ねている選手権首位のルイス・ハミルトンは、アブダビの順位次第でライバルの逆転チャンピオンを許す可能性があるからだ。
情報筋によれば、このレギュレーションに対する懸念について、アブダビGP後のF1ストラテジー・グループの会合で議論がなされる見込みであり、チーム間の合意がなされた場合には、来年廃止する案をF1コミッションに提出できることになるという。
ダブルポイントを推進したF1商業面のボス、バーニー・エクレストンも、仮に廃止が決まった場合は反対しない考えを示唆しており、今週末を当事者のひとりとして迎えるメルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフも、レギュレーション変更を望んでいるかとの問いに「そうだ」と答え、次のように続けた。
「ダブルポイントは誰も好んでいない」
「我々は次回の会合で議論するつもりだ。バーニーもあまり好んでいないと思う」
「したがって、それは恐らく来シーズンは廃止されるだろう」
ウォルフは、最終戦のダブルポイントで、今季の両選手権制覇を成し遂げたメルセデスの成功に影を落とすかもしれないと認めている。