今季、スーパーGT300クラスでB-MAX NDDP GT-Rをルーカス・オルドネスとともにドライブした星野一樹が、第5戦富士でJGTC全日本GT選手権/スーパーGT参戦100戦を迎え、第8戦もてぎの決勝日にあたる16日、スーパーGTグレーデッドドライバーとして表彰された。
1994年に始まったJGTC/スーパーGTでは、シリーズ参戦100戦を迎えたドライバーを“グレーデッドドライバー”としてその功績を称え表彰し、スーパーGTの永久パスとトロフィーが授与されている。これまでも多くのドライバーが表彰を受けており、毎年最終戦の恒例行事となっている。
今季は、2003年からJGTCに参戦を開始した星野が第5戦富士で100戦を迎え表彰されることに。単身イギリスでフォーミュラを戦い、03年からチーム・ダイシンでシルビアをドライブ。2006年~07年には父・星野一義監督率いるチーム・インパルからGT500クラスにも参戦し、鈴鹿1000kmでは優勝も飾った。
08年からは再びGT300クラスに参戦すると、08年、10年にチャンピオンを獲得。多くの勝利を飾っており、GT300のトップドライバーのひとりとして活躍。今季も第7戦タイで見事優勝を飾ったほか、若手のニッサンドライバーの良き先生役も努めている。
16日、グレーデッドドライバーとして表彰された星野は、インパルのウェアに身を包んだファンが下から盛んに声援を送る中、表彰台に立ちこれまでの100戦を「個人的にレースとしては、鈴鹿1000kmがいつも調子が良くて何回も勝たせてもらったこともありますし、2回のGT300チャンピオン、GT500の優勝といろんないい思い出もありますが、もちろん悪い思い出というか、悔しいレースもいっぱいありました」と振り返った。
「そういうことがあったからこそ『また頑張ろう』とここまでやって来られました。こうしてなんとか100戦を迎えることができて、本当に嬉しく思います」
今後の目標について、「もちろんまたGT300のタイトルは獲りたいですし、毎戦目の前のレースを頑張っていくだけですが、皆さんが『今度は150戦、200戦目指して頑張って』と言ってくださるので、それを目指して頑張ろうと思っています」と語った星野は、トロフィーと花束を受け取ると、グレーデッドドライバーの表彰ではおなじみのオープンカーによるパレードに移っていった。
今回、星野のためにニッサンがセドリックのオープンカーを用意。ピットロード出口で待ち受けていたが、そこには粋なサプライズが。オープンカーのドライバーを務めたのは、父である星野一義インパル監督だったのだ。
かつて、息子のレーシングドライバーの夢を反対していた星野監督は、プロとして参戦100戦を成し遂げた息子・一樹に「よく頑張ったな」と声をかけた。ふたりはセドリックに乗り込み、快晴のツインリンクもてぎ西ショートコースを1周し、ファンの声援に応えた。ステアリングを握った星野監督が、どこか誇らしげな笑顔を浮かべていたのが印象的だった。