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スーパーGT第8戦もてぎに『ビクトリースタンド』登場。ホスピタリティガーデンにメーカーのブースも

2014年11月19日 16:00  AUTOSPORT web

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スーパーGT第8戦もてぎに設けられたビクトリースタンドは多くのファンで賑わったが、応援団が後ろに回ってしまうことにも。
11月15日~16日に、ツインリンクもてぎで開催されたスーパーGT第8戦。決勝日には32000人ものファンが訪れ、大いに盛り上がりをみせたレースだが、このレースではメインストレート沿いに、新たに『ビクトリースタンド』という仮設スタンドが登場した。

 1997年に開業したツインリンクもてぎは、ロードコースとオーバルコースが併設された世界でも珍しいレイアウトのコース。ただ、グランドスタンドはオーバルコース沿いに設置されており、オーバルコース、オーバル用ピットを挟んだメインストレートは客席から遠く、迫力に対して不満の声もあった。

 そこで、10月に開催された二輪最高峰のMotoGP日本グランプリに合わせてオーバル用ピットの上に設置されたのが、このビクトリースタンド。通常のグランドスタンドに比べてストレートに近く、駆け抜けるGTカーの迫力を堪能することが可能に。また、オーバルのコース部分には、さまざまなホスピタリティエリアが設けられた。

 今回のスーパーGT第8戦では、土曜の予選日までは自由席として解放され、日曜は指定席に。また、ホスピタリティエリアはスーパーGTならではのテントが数多く設けられた。V4席後方には、『GTカフェ スクーデリア』と名付けられたカフェスペースが登場。中は仮設とは思えないスペースとなっており、昨年までGT500クラスで活躍したARTA HSV-010も展示。また、この中では初めてスーパーGTを観戦する女性向けに、番場琢が講師となり観戦セミナーも開催された。

 またV5席後方に設置されたのは、ツインリンクもてぎオフィシャルレストラン『Front Row』。出張料理人・吉田友則さんがオフィシャルシェフとなり特別メニューを提供。こちらも多くのファンで賑わっていた。また、最終コーナー側には『GTグルメストリート』と題し、多くのケータリングカーが出店。テーブルも用意され、B級グルメなどを楽しむファンで賑わった。

 特徴的だったのは、これらのフードエリアの他にもスーパーGTに参戦する各自動車メーカーのブースが出ていたことだ。ブースを出店したのはビクトリースタンド内に応援席が設けられていたホンダ、スバル。そしてBMWという3メーカー。レクサス、ニッサンのブースはなかった。

 基本的には突然の雨等にも対応できるようテーブル等が用意されたメーカーブースだったが、BMWはStudie BMW Z4をサポートする各メーカーのグッズが展示されていたり、ホンダはテント内に子どもが遊べるスペースが設けられていたりと、趣向が凝らされた。また、テント横にはBMWがM4、ホンダがウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTカラーのCR-Z、スバルが2011年にGT300クラスで活躍したレガシィを展示するなど、モータースポーツイメージを演出した。

 今回はオーバルのストレート上を使用し、仮設のテントが出展された形だが、海外のモータースポーツ界ではこういったメーカーによるテントや展示スペースはよく客席そばやパドックに見られ、ファンにとっては良い休憩スペースに、メーカーにとっては格好のプロモーションの場となっている。第7戦タイでもパドック裏でモーターショーが実施されたとおり、今後こういった試みは各メーカーが競い合って活性化していけば、ファンにとっては嬉しいサービスになるはずだ。

 ビクトリースタンド自体もチケットは完売となり、決勝日には多くのファンがスタンドを埋めた。ただ、メーカーの応援席が多くを占めたこともあり、スーパーGTを大いに盛り上げている私設応援団が、後方のグランドスタンドA席に陣取る形となってしまったのは、盛り上がりの面では少々寂しいところだった。

 ツインリンクもてぎでは、今回のビクトリースタンドをはじめ多くのスタッフの努力によりレース観戦やイベントを盛り上げようとしているが、やはり多くが仮設のものであり、観戦の迫力という部分では90度コーナー等をのぞき抜本的な解決にはなっていないようにも思える。オープンから間もなく20年が近づこうとしているが、2011年の東日本大震災以来、スーパー耐久で一度しか使用されていないオーバルコースの今後も含め、リニューアル等も期待しはじめたいところだ。