清川あさみの個展『TOKYO モンスター』が、11月29日から東京・渋谷のパルコミュージアムで開催される。
写真に刺繍を施す作品で知られる清川あさみ。展覧会や作品集などの発表に加え、アートディレクターとして、衣装や広告、映像、空間デザイン、プロダクトデザインなどを幅広く手掛けている。現在PARCOの各店舗などで展開中のクリスマスキャンペーン広告でも、アートディレクションを担当している。
同展では、1990年代の東京・原宿で奇抜なファッションに身を包んでいた若者たちのストリートスナップを素材にした新作『TOKYO モンスター』から約60点を展示。ストリートファッション写真誌『FRUiTS』に掲載された、当時のストリートカルチャーやファッションを色濃く反映した写真に、清川が新たな表現を加えた作品群を初公開する。また、来場者が参加できるインタラクティブな映像作品も展示される。
なお会場では、『TOKYO モンスター』シリーズに、劇作家で小説家の本谷有希子の言葉を添えた清川の最新作品集が先行販売される。
【清川あさみのコメント】
原宿かわいいファッションが世界的に注目を浴びる現在。さまざまな情報で自分を巨大化させる時代でもあります。 その原点である、1990年代の東京・原宿の奇抜な若者のストリートファッションからインスピレーションを受け、当時のスナップ写真に手を加え、 彷徨える若者達の心情を表現した個展『TOKYOモンスター』。 いつの時代も心に何かを抱える若者たちはなぜ自分を飾るのか。ファッションとは、夢の境界線を作る大きなエネルギーを持つのではないか? そのモンスターたちは今も姿を変え生き続けているのかもしれない。
【本谷有希子のコメント】
何かを着ているはずなのに、彼らはみんな裸に見える。傷つきやすい生身の体をさらして、それでも、街に出ずにいられないのだろう。