第61回マカオグランプリのレースのうちのひとつ、マカオGTカップは16日12周の決勝レースが行われ、スタートでリードを奪ったメルセデスベンツSLS AMG GT3勢がレースを制圧。マーロ・エンゲルが優勝を飾った。
ヨーロッパからアウディ、BMWのワークスドライバーが参戦したほか、土屋武士や千代勝正、澤圭太といったスーパーGT等で実績を残す日本勢、そしてGTアジアの強豪が集い年々争いがハイレベルになっているマカオGTカップ。予選ではエドアルド・モルタラ、ローレンス・バンスールというアウディR8 LMSウルトラ勢がフロントロウを占めていた。
しかし、迎えた16日のレースでは、グリーンフラッグ点灯ともにアウトサイドからエンゲル、ランガー・バン-デル・ザンデ(メルセデスベンツSLS AMG GT3)が猛然とダッシュ。ワン・ツーを占めていく。
抜きどころが少ないマカオだが、オーバーテイクポイントのひとつとなるリスボアではメルセデス勢のブレーキングに利があるか、山側では差を詰めるものの、メルセデス勢のペースも速くアウディ勢はなかなか上位2台を攻略できない。アウディ勢の後方にはアール・バンバー(ポルシェ911 GT3R)、アウグスト・ファーフス(BMW Z4 GT3)が続き、やや離れて土屋(メルセデスベンツSLS AMG GT3)が続いた。
レースは7周目になると、ラップダウンが発生。エンゲルはうまく処理するも、バン-デル・ザンデと後方の間隔が縮まり始める。さらに5番手のバンバーは終盤大きくペースが鈍りはじめ、ファーフスの先行を許すと、その背後に土屋が迫っていった。
しかし、ファイナルラップで土屋はバンバーのアウトに並びオーバーテイクを仕掛けるも、バンバーが止まりきれず土屋ごとエスケープに押し出してしまった。これでバンバー、土屋がポジションを落とし、ルイ・アグアス(フェラーリ458イタリア)が6番手に浮上した。
トップのエンゲルはそのままきっちりと首位を守りチェッカー。バン-デル・ザンデが2位でメルセデス勢がワン・ツー。モルタラ、バンスールとアウディ勢が3~4位となった。土屋はリスタートしたものの、14位となった。
千代勝正(ニッサンGT-RニスモGT3)はDTM王者のマルコ・ウィットマン(BWM Z4 GT3)やダリル・オーヤン(アストンマーチン・バンテージGT3)、ジャン-カール・ベルネイ(ベントレー・コンチネンタルGT3)とバトルを展開し11位でチェッカー。澤(ランボルギーニ・ガイヤルドGT3 FL2)は15位となった。なお、今回のレースでGTアジアのチャンピオンはモク-ウェン・サン(フェラーリ458イタリア)に決定している。