12月13日にリニューアルオープンする神奈川・横浜の映画館「横浜シネマリン」のオープニング作品が発表された。
今年3月をもって約60年の歴史に幕を下ろす予定だった横浜シネマリン。地域の映画文化継承を目的に掲げ、市民が中心となって劇場再生に乗り出したことから、リニューアルオープンが実現することになった。番組編成には、今年5月末をもって閉館した吉祥寺バウスシアターの番組編成を担当していた西村協を迎えるほか、川崎市アートセンターの設計を手掛けた岩崎敬が内装・照明デザイン、堀三郎が映像・音響設計を担当する。館長を務めるのは、自費で同館の再生プロジェクトを発足させた八幡温子。
オープニング作品となるのは、ジュリエット・ビノシュ主演の映画『おやすみなさいを言いたくて』。また、ジュリエット・ビノシュの特集上映も行われ、レオス・カラックス監督『汚れた血』『ポンヌフの恋人』、オリヴィエ・アサイヤス監督『夏時間の庭』、アッバス・キアロスタミ監督『トスカーナの贋作』が上映される。
さらに、オープン前日となる12月12日にはプレオープンイベントも開催。当日は小津安二郎による1932年製作のサイレント作品『青春の夢いまいづこ』をピアノ伴奏付きで上映する。演奏を担当するのは、これまで600本以上のサイレント作品に伴奏をつけてきたピアニストの柳下美恵。なお、12月12日は小津の誕生日であり、命日にあたる。
番組編成の西村協は今後の上映イベントについて「オープニングイベントでは小津サイレント作品に柳下さんのピアノ伴奏つき上映を行いますが、今後も映画と音楽をミックスしたイベントなども妄想しております。地下の劇場で音の響きを考慮したアコースティックな楽器を使ったイベントなどが良いのではと考えています」とコメントしている。