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スーパーGTとブランパンGTシリーズがGT3規定車両のBoPについて提携

2014年11月16日 23:30  AUTOSPORT web

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スーパーGT第8戦もてぎで握手を交わすSROステファン・ラテル代表とGTA坂東正明代表
16日、スーパーGT第8戦開催中のツインリンクもてぎで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)と、ヨーロッパで開催されているブランパンGTシリーズをプロモートするSROモータースポーツ・グループが記者会見を行い、FIA-GT3規定車両の性能調整(BoP)について提携を結んだ。

 FIA-GT3車両は、ヨーロッパでSROを中心に生み出された市販レーシングカーで、多くのプライベーターに活用され、自動車メーカーも積極的にレース車両を販売。性能調整によりパフォーマンスを均衡化し、見応えがあるレースが展開されている。その中でも、ブランパンGTシリーズはGT3レースの中でも最大規模を誇っているレースだ。

 一方、スーパーGTでは近年GT300クラスの参戦車両を日本独自のJAF-GT車両と、FIA-GT3車両の二本柱としている。その中で、GT3車両の性能調整については当初はFIAのものを採用していたものの、2014年から「公平性が高いと好評を得ている(GTA坂東正明代表)」SROのBoPを採用してきた。

 ただ、ピレリのワンメイクであるブランパンGTのタイヤに対し、スーパーGTはタイヤコンペティションがあり、またブランパンでは高速、中高速、ストップ・アンド・ゴーとコースレイアウトによってA、B、CのBoPテーブルがあり、日本のコースに対してはどう適用するのか等の課題があった。これに対し、両者が提携してBoPに関する情報を共有し、BoPの精度を高めようというのが今回の提携だ。

 16日にもてぎで行われた会見には、SROモータースポーツ・グループのステファン・ラテル代表とGTA坂東代表が並び、GTAからは服部尚貴シニアマネージャー、SROからはクロード・シュルモンテクニカルディレクターが出席。提携の調印式が行われた。

「今回の合意により、GT300クラスのBoPにつきまして、これまで以上にきめ細かい調整が可能となり、同クラス参加各チームには、より高い公平性が確保・維持できるものと期待しております」と坂東代表は今回の提携の狙いを語る。

 また、ラテルは「我々SROがヨーロッパの選手権やシリーズ用に作成した性能調整は、すでにオーストラリアやマカオでも使われており、我々の性能調整が優れたものであると世界中で認識されていることに大変誇りに思っている」と語った。

「より多くの日本の自動車メーカーがGT3カテゴリー車両を製作されることを期待している。我々は責任を持ってフェアで性格な性能調整の提供を約束したい」

 具体的には、来年3月にポールリカールで行われるブランパンのBoPテストで得られたデータをもとに、スーパーGTでは岡山国際サーキットでの合同テストに15年のBoPを適用。そこで得られたデータがさらにSROに送られ、スーパーGTにも適したBoPが適用できるよう、調整が行われていくという。タイヤのコンペティションについては、SRO側ではミディアムタイヤでBoPが決められ、そこからスーパーGTに合わせ込まれる。また、この調整にはスーパーGT特有のハンデウエイトは加味されない。

 また、GTAとSROでは、今後BoP以外にもさまざまなコラボレーションを行いたいとしている。GT500クラスではDTMドイツツーリングカー選手権との連携がすでに強固なものとなっており、「車両を製作するマニュファクチャラー各社が、それぞれのマーケティング戦略に従って車両を製作し、参加しやすいよう配慮する、という点を大いに重視いたしました」と坂東代表が語るとおり、両クラスでヨーロッパとしっかりパイプを形成したことは、今後のシリーズの発展に向けた礎となっていきそうだ。