スーパーGT第8戦もてぎの決勝レースでGT300クラスで3位を獲得し、ドライバーズタイトルを決めたグッドスマイル 初音ミク Z4の谷口信輝と片岡龍也が、今回のレースと今シーズンを振り返った。
●GT300クラスドライバーズタイトル獲得:グッドスマイル 初音ミク Z4
谷口信輝
今週は走り始めからかなり厳しかったけど、ライバルのGAINERはすこぶる好調で、これは苦しいないう感じが土曜の予選前まではあったね。チームの中でセッティングのことで喧嘩になりそうなくらいだったし。ただ、本当に予選に向けて博打的な、それまでの想定とまるきり違うセットアップにしたらうまくいって、予選3番手という自分たちでも驚くような結果になった。そのことで、GAINERチームにも「やっぱりきたな」というプレッシャーを与えられたかなと思う。
1周目にプリウスを抜いた時は期待した方もいると思うけど、僕はその後厳しくなるんだろうなということは分かっていて、案の定後ろから調子の良いマシンが来たので、どう考えても3位に届かないなという状態でバトンをもらいました。
でも、なんとか頑張ったら神様がご褒美をくれまして、ぎりぎり3位でチェッカーを受けることができて、ものすごくうれしかったですね。珍しくチームにあと何周かと毎周聞いたりして、なんとかゴールできた。でも本当に、片岡のおかげでチャンピオンがとれました。最高だね。
タイ戦の予選で、11号車と61号車という勝ちを狙っているマシンが下位に沈んでくれたので、そこが僕たちとしてはこのチャンピオンシップのターニングポイントというか、大きな要因だったのかな。そこまではGAINERに対して2点差しかなかったけど、9点差にまで開いたしね。
本当に今週の流れが悪く、もてぎが苦手で苦しいと言いながらも決勝で3位に入れたのはミラクルだと思います。チームもヨコハマさんも、目一杯で戦ったなと思います。
片岡龍也
来る前からライバルの11号車が勝つのではないかなと思っていました。僕たちは3位以上でゴールすればドライバータイトルは獲れるということでしたが、11号車は練習走行からずっとトップを抑えていましたが、逆に僕らはかなり暗いムードも漂っていましたね。ただ、チームはそこで諦めずに予選前にクルマをこれまで試したことないようなセッティングにしてくれて、かなり博打ではあったのですが、予選で手応えを得ることができ、3番手を獲得し、やっと勝負ができるところにきたなという状況で今日を迎えました。どちらかと言えば、今日を3番手でスタートするまでが長かったです。
レースでは、タイヤチョイスが柔らかめだったので、天気が思っていたより良くてキツイかなと予想はしていました。なので、とにかく1周目から仕掛けて、離れていてもポジション的にはGAINERの後ろにいられるようにしたいと思って走りました。
ただ、レースが進んでいくとクルマはあまりいいという状況ではなく、後ろから追いつかれて、GAINER Rn-SPORTS SLS前を抑えられるような形になった際にAudi R8 LMS ultraにまで抜かれてしまいました。そこで4位に落ちてしまうと僕らのチャンピオンシップはなくなってしまうので、引っ張れれば引っ張る予定もあったのですが、チームがすぐに判断してくれて谷口さんに交代しました。
(交代後は)僕のスティントで抑えていたOGT Panasonic PRIUSが前にいましたが、アウトラップのアウディを谷口さんがパスしてくれました。前半乗っていたので分かるのですが、非常にタフな展開だったのではないかと思います。ファイナルラップでバックストレートを出てくるところまでは油断できなかったですね。3位に入ってチャンピオンを取れて嬉しかったです。
とにかくシーズンはずっとGAINERとの争いでしたが、今日までを通して考えるとちょっとうちの方が不運なアクシデントが少なかったなというところで、力的には五分、もしくは負けているのではないかなと本当に思っていましたし、今日も最後はぎりぎりでなんとかチャンピオンを獲れました。9点もリードしていて分が悪かったというのはおかしいのですが、本当に気が抜けない内容でしたね。