マカオグランプリのF3レースは14日、予選2回目が行われ、フェリックス・ロゼンクビスト(ミュッケ)がポールポジションを獲得。エステバン・オコン(SJMセオドール・バイ・プレマ)が2番手につけた。日本勢は金丸悠(カーリン)が19番手につけた。
第61回マカオGPのF3は、午前の練習走行に続き午後2時05分から40分間にわたり予選2回目が実施された。朝方こそ曇り空だったものの、午後には柔らかな日差しがサーキットに注ぎ始め、路面温度と気温は前日よりやや高めとなった。
セッション開始10分過ぎ、まずはルーカス・アウアー(ミュッケ)が最初に2分11秒台に乗せた。これが今週末の彼の自己ベストとなり、2分11秒838のタイムで予選総合4番手を手にした。その3分後にはエステバン・オコン(プレマ)が2分11秒742のタイムを記録。これが彼の自己ベストとなり予選総合2番手となった。
セッション開始24分過ぎ、それまでタイミングモニター上位に顔を出していなかった名前がいきなり映し出された。カーナンバー20のフェリックス・ロゼンクビスト(ミュッケ)である。まず2分11秒820で2番手へ浮上すると、その10分後には2分11秒506でトップを奪取。直後、1台が山側区間でクラッシュしたため、赤旗が掲示されて約2分間を残しそのままセッションは終了となった。これで予選レースのポールシッターは、マカオ参戦6回目の23歳のスウェーデン人の手に渡った。「昨日まではまったく自信がなかった。でも、クルマに若干の変更を施した結果、今日は良い数周を走れた」とロゼンクビスト。
そして予選総合3番手は、赤旗が掲示される直前に2分11秒747を記録したマックス・フェルスタッペン(ファン・アメルスフールト)。ちなみに13日の練習で科されたペナルティにより、予選総合2番手のオコンと予選総合3番手のフェルスタッペンは15日の予選レースではそれぞれ2グリッド降格となる。こうしてまずまず良い形で土曜日を迎える彼らに対し、13日の予選1回目で暫定ポールポジションを奪ったトム・ブロンクビスト(カーリン)と予選1回目で2番手に就けていたアントニオ・ジョビナッツィ(カーリン)は予選2回目では精彩を欠いた。ふたりとも自己ベストを更新できず、それぞれ予選総合5番手と予選総合8番手に留まった。
日本勢はさらに苦しい結果に終わった。最高位は2分13秒731の金丸で予選総合19番手。「予選1回目に比べるとタイムは縮まりましたが、順位はひとつ下がってしまいました。チームメイトもタイムも縮められず順位も下がってしまった状況でした。どうも、路面温度や気温が予想以上に高くなったことが原因のようです。チームがセッティングを読み違えたという感じです」と金丸。
「僕らドライバーの共通意見としては、不意のオーバーステアが出るようになったことです。明日の予選レースでは最後まで走りきって12、13番手の位置くらいまでは上がり、日曜日の決勝レースを迎えたいと思います」
2分14秒471の山下健太(トムス)が予選総合23番手。2分15秒373のダン・ウェルズ(戸田)が予選総合25番手、2分15秒974の高星明誠(B-MAX)が26番手、2分16秒859のサム・マクラウド(トムス)が最後尾の28番手だった。
「初めてのマカオですが、昨日の木曜日に比べれば、自分の走りはタイムにも表れているように上がっているとは思います。でも、それは周りも同じで、結局は最初からの差がずっと縮まらない状況です。それなりにこのコースを走れている手応えはあります。チームメイトも決して速くはないので、自分と彼のデータを比べてどこが課題なのかも分からない。昔のデータを引っ張り出してきても、あまりよく分からない」というのは山下。
「予選ではプレマやカーリンといった速いグループのドライバーと一緒に走れて、なんとなくクルマやドライビングの違いも見えたので、それを参考に予選レースと決勝レースを戦いたい。とはいえ、正直、この週末だけで解決できる問題とは思えません。とにかく明日以降、周回数を稼ぐしかないと思います」
また、高星は「初めてのマカオで、ここまで何回かクラッシュしてしまいましたが、その中でも手応えを感じる場面は何度かありました。しかし、予選2回目は渋滞に遮られたり黄旗が出たりで、タイムアタックできないだいぶ悔しい状況でした。今日は午前の練習よりも午後の予選のほうが遅いという意味が分からない状況で、本当に悔しいというひと言です」と語った。
「ここまでは、自分に関することではコースやレースに慣れることを中心に走ってきて、クルマに関することではコーナーのミドルでアンダーステアが強いのでそれを消して走れるようにしてきてといった感じです。山側区間では、午前には全開で行ける部分もあったので午後にもそれを試したかったんですけれど残念です」
(Kojiro Ishii)