総務省の2013年度調査[PDF]によると、米国企業における2011年度の女性管理職の割合は、管理職全体の43.1%を占めるそうです。日本の女性管理職の割合は2012年度で11.1%なので、その高さに驚かされます。
しかしそんな米国でも、2013年に「もし新しい職場で上司の性別を選ぶことができるなら」という調査を米ギャラップが実施したところ、「女性の上司を選ぶ」と答えた人が23%に対し、「男性の上司を選ぶ」は35%と13ポイントも上回っています。
理由は「女性上司の下で働いた経験」がないから?
とはいえ、この60年で女性支持はかなり増えました。同じ調査を行った1953年のギャラップの調査では、「男性の上司を選ぶ」と答えた人は66%と圧倒的で、「どちらでもよい」が25%。「女性の上司を選ぶ」と答えた人は5%しかいませんでした。
2013年の調査を男女別に見ると、「男性の上司を選ぶ」と回答したのは男性が29%で、女性が40%。女性の方が、男性上司を好む傾向にあるということです。ちなみに女性の上司を選ぶと答えた男性は18%、女性は27%でした。
記事には「女性が男性上司を選ぶ理由」についての調査結果はありませんでしたが、別のギャラップの調査によると、現在女性上司の下で働いている人の割合は全体の30%に過ぎず、男性上司の下で働いている人に比べてその割合は少ないそうです。記事ではこの割合の少なさが、調査結果に影響を与えているのではないかと推測しています。
その他にも、女性上司の下で働いた経験がある人は「女性の上司を選ぶ」と回答している傾向もあり、過去の経験が考え方に影響を与えている可能性もあるとしています。もしそうであれば、女性上司の下で働く経験をした人が増えれば、人々の考え方も徐々に変わるのかもしれません。
「女性登用の数値目標」も有効なのでは
翻って女性管理職の少ない日本では、やはり女性上司の人気は高くありません。2011年に日経新聞と日経ウーマンが働く女性を対象に実施した調査によると、「男性上司の方が働きやすい」と答えた人は49.3%、「女性上司の方が働きやすい」と答えた人はわずか6.3%だったそうです。
ただし、回答した女性のうち85.5%が「現在の上司は男性である」と答えています。政府が「女性登用の数値目標」を掲げることに対し、逆差別を進めると批判する声もありますが、そうでもしないと女性上司の経験者が増えないのですから、ひとつの策として認めるべきではないでしょうか。
(参考)Perceptions about women bosses improve, but gap remains (Pew Research Center)
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