第61回マカオグランプリのF3レースは13日、予選1回目が行われ、トム・ブロンクビスト(カーリン)が暫定ポールポジションを獲得。アントニオ・ジョビナッツィ(カーリン)が2番手につけた。
マカオGPのF3は、午前の練習走行に続き午後3時25分から40分間にわたり予選1回目が実施された。午前中に実施されたサポートレースのマカオ・ロードスポーツ・チャレンジの練習走行で事故が発生し、コースサイドのバリアが大きく破損。その修復に時間を要したため全体的にタイムテーブルは押し、F3の予選開始は定刻より40分も遅れた。
セッション開始15分、最初に2分12秒台へタイムを入れたのは、来季トロロッソからのF1参戦を決めているマックス・フェルスタッペン(ファン・アメルスフールト)。このマカオ未経験者を追うようにルーカス・アウアー(ミュッケ)、トム・ブロンクビスト(カーリン)といったマカオ経験者が2分12秒台に入れて、3人がトップを奪い合う展開となった。
セッション残り13分になると、それまでもずっとトップクラスのタイムを記録していたアントニオ・ジョビナッツィ(カーリン)がブロンクビストに次ぐ2番手へ浮上、さらにタイムを縮めて最終的には2分12秒037で2番手につけた。また、ニック・キャシディ(スリーボントwith Tスポーツ)も終盤にぐんぐんタイムを縮めて、最終的には2分12秒546で3番手につけた。
暫定ポールポジションは2分11秒922と唯一2分11秒台へ入れたブロンクビスト。「いまのところは順調でとてもハッピーだよ。クルマは最初から良い感じだし、とても競争力がある。まだ長い道のりが待っており、最終予選で良くなるように、僕らは今日の予選では新しいタイヤを投入しなかった」とF3ユーロランキング2位のイギリス人は語った。
日本勢では2011年に世界カート選手権で日本人初優勝を果たした金丸悠(カーリン)が記録した2分14秒468の18番手が最高位となった。
「F3ユーロのクルマで1シーズンを過ごしてから、ここ(マカオGP)に臨みたかったですね。F3ユーロのクルマに乗るのは今回が初めてで、シミュレーターで練習はしましたがぶっつけ本番です。ユーロフォーミュラオープンのクルマに比べるとグリップがあり、そのぶん自分の思いどおりにクルマをコントロールできます。今回のクルマは良い感じに決まっています」と20歳の金丸は語った。
「ただ、午前の練習走行でセッション終盤に軽くクラッシュしてしまい、残り10分間を走れなかったので、この予選は最後まで走りきろうと9割の力に留めました。明日はもう少し攻めようと思います。明日以降に向けてはあと2セットの新品タイヤが残っています」と巻き返しに虎視眈々だ。
以下、日本勢は21番手に山下健太(トムス)、23番手にダン・ウェルズ(戸田)、26番手にサム・マックラウド(トムス)。高星明誠(B-MAX)は午前中の事故によるクルマの修復が長引いた影響もあって最後尾の28番手だった。
14日(金)の午後には予選2回目が実施されて、15日(土)の予選レースのグリッドが決まる。なお、フェルスタッペンとエステバン・オコン(プレマ)は、午前の練習走行で重量計測の指示を無視したとして2グリッド降格のペナルティが、またマックラウドも午前の練習走行でピットレーン出口の走行制限線を横切ったとして1グリッド降格のペナルティが、それぞれ予選レースで科せられる。
(Kojiro Ishii)