F1の商業面のボス、バーニー・エクレストンが、F1レースの参戦台数を増やすため“スーパーGP2”構想を打ち出したとして、小規模チームが反発と懸念を示している。
ケータハムとマルシャが破綻し、F1参戦台数が18台に落ち込み、ロータス、フォース・インディア、ザウバーも厳しい経済状態にあるため、F1上層部は何らかの対策を講じる必要に迫られている。
ブラジルGPの週末にチームとエクレストンが話し合いを行う中で、将来、F1を二層構造にするという提案がなされたことが分かった。
この提案は、F1のコンストラクターと共に、アップグレードしたGP2タイプのマシンをカスタマーチームが走らせるというもの。
フォース・インディアのチーム副代表、ボブ・ファーンリーは、ひとつの選択肢としてこの案が提示されたとして、エクレストンがビッグチーム以外を追い出そうとしているのではないかとの懸念が高まっていると述べた。
「“スーパーGP2”という、ひとつの選択肢がある。アップグレードしたエンジンを搭載した、GP2に似たマシンを走らせる」とファーンリー。
「5つのコンストラクターチームと5つのカスタマーチームを走らせたいという要望があることがはっきりと示されている。彼ら(F1のオーナーたち)はそれが最善の方向性であると考えているのだ」
ザウバーのチームプリンシパル、モニシャ・カルテンボーンは、スーパーGP2のような形のカスタマー案が出されたのは、エクレストンとCVCが将来小規模チームを排除しようとしている証拠であり、懸念を感じると述べた。
「この提案を見ると、何らかの意図があるものと考えざるを得ません」とカルテンボーン。
「4つか5つの名前を残したいという考えがあるのです。1年落ちのシャシー、あるいは異なるスペックのエンジンを使うという案、あるいは別のシリーズを戦うという案が提示されれば、何らかの意図があるのは明らかです」
現在の雰囲気と解決策の性質から考えて、状況を向上させるのは簡単ではなさそうだと、カルテンボーンは考えている。
「状況は日々変わりますが、このようなことが続くべきではありません。私たちが望む方向でも受け入れられる方向でもありません」
「こういうアイデアがどんどん出てくるようであれば、私たち3チームにはいてほしくないと考えている人がいると感じざるを得ません。F1は全く違う方向に変わろうとしているのだという思いが強くなるばかりです」