レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは、F1エンジン凍結規則緩和の動きが進まないことに苛立ちを示し、F1が導入した今のV6ターボのレギュレーションは誤りであり、昨年までのようなV8に戻ることを考えるべきだと発言した。
新たなエンジンレギュレーションが導入された今年、メルセデスが圧倒的強さを示しているが、開発が厳しく制限されているため挽回を図ることができないことに、ルノーとフェラーリは不満を示している。彼らは凍結規則緩和のための提案を行ったが、メルセデスはこれを拒否、来年に向けて規則を変更するのが難しい状況になりつつある。
ホーナーは、今年ケータハムとマルシャが破綻した一番の原因は新パワーユニットに大きなコストがかかるせいであると考えており、今の規則は間違いであり、V8に戻ることも検討すべきだと述べた。
「誰も後戻りなどしたくないが、それを考えてみなければならない場合もある」とホーナー。
「絶望的な状況では捨て身の手段を取る必要が出てくる。今のパワーユニットのコストを見ると、このままの状態ですべてのチーム、すべてのマニュファクチャラーが活動を続けることが可能かどうか、疑問に感じる」
「素直に自分の非を認めなければならないときもある。エンジンレギュレーションにかかわった人々は間違いを犯した」
「非常にコストがかかるエンジンであり、その上開発が厳しく制限されている。(メルセデスが大きな)アドバンテージを持ったなかで、(開発を)凍結しなければならない」
「理論的に考えると、本当にコストを管理するためには、後れを取っているマニュファクチャラーが挽回できる余地を認めるべきだ」
「それではメルセデスに不公平なので、すべてのマニュファクチャラーに関して開発の余地を広げなければならない」
「そういったことをしない限り、今のエンジンを使っている間はメルセデスの支配が続くだろう」
ホーナーは、提案を拒絶したメルセデスに対して不満を募らせている。このまま2015年の規則緩和が達成できない場合は、ルノーやホンダと共に2016年以降の開発制限を大幅に取り除くために動かざるを得ず、そうなれば長期的に見てコストが急激に上がることになると、ホーナーは述べている。
「トップチームであれ小規模チームであれ、もはやこれ以上のコストの負担を担うことはできない」とホーナー。
「残念ながら、今のパワーユニットのコストによってふたつのチームがこのスポーツから去る結果になった。これは大きな問題だ」
しかしホーナーは、実際にはV8に戻すのは難しいと認めた。
「そうなる見込みはほぼないと思う。しかし理性があるなら検討すべきことだ」