ブラジルGPでF1チームがエンジン凍結規則の緩和について話し合ったものの、再び合意に達することができなかった。
今季導入されたターボV6に関して、コストの上昇を防ぐためにエンジン凍結の規則が定められた。2014年2月28日にFIAに対してパワーユニットのデザインが提出された後は、シーズン中、信頼性、安全性、コスト節約に関する理由でない限り、変更は認められない。
毎年シーズンオフには規則で定められた“トークンシステム”に従って一部のモディファイは認められるものの、年々制限は厳しくなっていく。
パワーユニットの全コンポーネントに対して合計66の“トークン”が割り当てられており、各シーズン前に使用できる“トークン”数、つまり改良が許される範囲が決められている。その数は年々減らされ、2019年、2020年には改良できる余地はわずか5パーセント程度になる。
こういった規則を来年緩和することをルノーとフェラーリは求め、メルセデスはこれに反対の意を表していたが、アメリカGPの会合で新たな妥協案が提示され、メルセデスはこれを前向きに検討すると述べていた。
しかしメルセデスは規則変更によるコスト上昇やカスタマーへの影響を分析した結果、この妥協案に同意できないと、ブラジルGPの会合で表明した。
提案は2015年7月に13の開発トークンを使用することが認められるというものだったが、メルセデスはこれを拒否し、5トークンのみ可という提案を行った。ライバルたちはこれを受け入れなかったという。
また、新たにホモロゲーションの日程を2月から3月に変更するという提案もメルセデスは受け入れなかった。
チームは今後も協議を続けるものの、今月末にF1コミッション会合が予定されており、規則変更に関して取り組むことができる時間は限られている。
今の時期から来年の規則を変更するには全会一致の合意が必要になるため、メルセデスが反対し続ける以上、変更はできない。しかし2016年に関しては、ストラテジーグループとF1コミッションで過半数の合意が得られれば規則変更が可能だ。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、もし2016年に開発の自由を完全に認めるようなことになれば、それは「F1に対して無責任な行為であり参戦チームに対して非礼な振る舞い」であり、「賢いやり方であるとは思わない」と発言している。