オートポリスで行われたスーパー耐久最終戦は、81号車GT-Rが総合優勝。 11月8~9日にオートポリスにおいてスーパー耐久シリーズ2014最終戦「TKUスーパー耐久レース in オートポリス」が開催され、6つのクラスのうち最終戦までもつれた5つのクラスでチャンピオンが確定。3連勝で最終戦を制した、81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R(星野一樹/尾本直史/青木孝行組)がST-Xのチャンピオンに輝いた。
雨と霧の影響が心配されたスーパー耐久最終戦。幸いにも、降雨があったのは予選後から決勝までの間。すっかり秋の装いとなった山々に囲まれたオートポリスには、40台の車両が参戦した。13時23分に3時間レースがスタート。まだコースのあちこちにウエットパッチの残るコンディションながら、スタート直後には日差しもありコースは徐々に乾いていった。
レースをリードしたのは81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-Rの青木孝行で、これを追う3号車ENDLESS・ADVAN・BMWの飯田章が10周目の最終コーナーで逆転。2台によるトップ争いが演じられたが、29周目の2コーナーで青木が再逆転。直後に飯田はピットインして頭からガレージに入り、サスペンションのトラブルで修復に長い時間を要すこととなった。
このレースを完走すればチャンピオンとなる81号車は、ここから独走状態となり、尾本直史へつないで、アクシデントのためにセーフティカーが導入されたタイミングで星野一樹に交代すると、2位以下の全車をラップ遅れに。そのまま92周を危なげなく走りきって、3連続の今季4勝目を挙げてST-Xクラスのチャンピオンを獲得した。
「去年一度も勝てなくて悔しい思いをしたけど、今年はチームもクルマもいい体制で臨めた。ようやくトップクラスでタイトルが獲れて本当にうれしい」と尾本は笑顔で語った。
レース中、最も早くタイトルが確定したのはST-2クラスだった。勝って逆転チャンピオンを狙う20号車RSオガワADVANランサーの阪口良平が、序盤から後続を引き離して走行。しかし23周目に入ったストレートで失速し、そのまま2コーナー先で車両をストップさせてしまった。
「5速に入れた途端音がして駆動がかからないようになってしまいました。ストップしてからはエンジンも動かなくなって。速さはアピールできたんですが」とサバサバした表情の阪口。これでポイントリーダーの59号車STURM・MOTUL・EDインプレッサのタイトルは確定。吉田寿博から大澤学、松田晃司とつなぎ優勝で2年連続の戴冠を決めた。
最終戦で強力助っ人を招き逆転タイトルを獲得したのはST-1クラスの37号車KeePer I.P.S。同日に鈴鹿で行われたスーパーフォミュラに出場するためにレギュラーの中山雄一と平川亮、さらに畠中修も欠場。代わりにアンドレア・カルダレッリと山下健太が代打を務め、毎ピットイン時に50秒のストップというハンディキャップも挽回する走りで優勝を遂げチャンピオンを奪った。
ST-3クラスではコースレコードをマークした34号車Asset ings Z34(藤波清斗/松原怜史組)が序盤からリードを大きく広げ、チームメイトで既にチャンピオンを決めている35号車Asset ings Z34(前嶋秀司/佐々木雅弘/廣川和希組)のリタイアもあり、うれしい初優勝を遂げた。
参加15台と最激戦区のST-4クラスは、93号車SKR ENGINEERING S2000(吉本晶哉/石川京侍組)がラッキーな初優勝を遂げた。トップ走行中だった41号車UEMATSU×TRACY SPORTS ings S2000(植松忠雄/藤田竜樹/寺西玲央組)が、終盤他車との接触で左フロントタイヤのパンクを喫し3位へポジションダウン。優勝こそ逃したものの表彰台ゲットでチャンピオンを獲得した。
今年デビューしたフィット3によるチャンピオン争いとなったST-5クラスは、トップを走行していた95号車SPOON FIT3(松井猛敏/中島保典/荒聖治組)が駆動系のトラブルによりリタイアを喫すると、2号車ホンダカーズ野崎 with BOMEX(山下潤一郎/山田英二/荒井康裕組)が今季2回目の優勝。完走すればタイトル獲得という99号車BRP★J’s RACING FIT3(梅本淳一/大野尊久/奥村浩一組)が、慎重で堅実なレース運びで2位フィニッシュし、タイトルを獲得した。