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ロズベルグがリベンジのV、ハミルトンはミスで勝機逸する/F1ブラジルGP決勝

2014年11月10日 14:50  AUTOSPORT web

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第10戦ドイツGP以来となる今シーズン5勝目を挙げたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)
2014年F1第18戦ブラジルGPは9日(現地時間)、サンパウロ郊外にあるインテルラゴス・サーキット(アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ)で71周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが今シーズン5勝目、通算8度目となるトップチェッカーを受けた。

 最終戦での逆転王座を狙うロズベルグがポールスタートを手にしたブラジルGP決勝。レースは、自力での戴冠こそないものの勝ってチャンピオンへの可能性を少しでも広げたいロズベルグと、逆に6連勝でアブダビでのタイトル手中を確実としたいハミルトンのふたりの意地と意地がぶつかり合う白熱の展開となった。

 序盤は戦前の予想に反し、路面温度が一時54度まで上昇するなど非常に過酷なドライコンディションとなったたため、5周を待たずに上位勢のタイヤにグレイニングが発生し、3番手を走るフェリペ・マッサを皮切りに先頭のロズベルグが7周目、2番手のハミルトンも翌周にソフトからミディアムタイヤへの交換を行う事態となった。

 メルセデスの2台には、その後も右リヤタイヤを管理して走れとの指示が頻繁に出されるなど、序盤のロズベルグとハミルトンはタイヤを労りながらのトップ争いを強いられることに。それでも首位を走るロズベルグは、一時リヤタイヤの摩耗からオーバーステアを訴えるも、同様にタイヤの管理に苦しむハミルトンを2秒後方に従え、トップを堅持したままレースを進めていった。

 しかし、2度目のピットストップが近づく20周過ぎから徐々にハミルトンがロズベルグに接近、25周目にはその差が1秒差にまで縮まった。すると翌週にロズベルグはピットに向かうが、ここで逆転を狙ってチャージをかけたハミルトンがバックストレートエンドの4コーナーでブレーキングをミス。ハーフスピンを喫してしまう。これでハミルトンはトップを奪う最大のチャンスを失い、再び2番手からチームメイトを追いかけることとなった。

 その後、首位のロズベルグは3回目のピットストップに向けて慎重にラップを重ねて行くが、40周目辺りから再びハミルトンにその差を縮められ、最大7秒あった彼のリードギャップは、50周目の最後のピットストップ時には約2秒に縮まり、翌周のハミルトンのピットアウト後には、チームメイトにDRS圏内の1秒以内に迫られ、防戦一方の展開に持ちこまれる。

 だが、予選後の会見でオースティンでのリベンジを誓っていたロズベルグは、残り約20周に渡ったチームメイトとの接近戦にも冷静に対処。一時は0.5秒差まで詰められる場面もあったが、最後までミスを犯さなかったロズベルグは1.4秒差でハミルトンを振り切りトップチェッカー。第10戦ドイツGP以来となる今シーズン5勝目を挙げ、逆転タイトル獲得へ最大限の仕事を成し遂げた。

 3位はマッサ。母国レースだった彼は、最初のピットストップでスピード違反を犯して5秒ストップのペナルティを受け、さらに3回目のピットストップ時にはマクラーレンの作業レーンに誤って入るミスも犯したが、4番手のバルテッリ・ボッタスがピットストップ時の不可解なタイムロスで大きくポジションを落としたことも幸い。中盤以降は安定したペースで走り、後続のジェンソン・バトンの追い上げを許さず、3位表彰台で地元ファンの大歓声を受けた。

 2ストップ作戦のキミ・ライコネンを終盤に攻略したセバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソがそれぞれ5位と6位を獲得。フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグ8位、ケビン・マグヌッセンが9位となり、一時はトップ圏外まで落ちていたボッタスがなんとか10位1ポイントを手にしている。