今年も残り2か月。そろそろ忘年会の声があがることだ。面倒な手配は若手の幹事に任されることが多いが、それが思わぬ軋轢を生むこともある。
若手幹事が自分の好みでフレンチなど洋食の店を飲み会の場に選んだところ、年輩社員から「日本酒がない」と不満の声が出たというエピソードをキャリコネニュースが紹介したところ、幹事のあり方に対するコメントがネットに多数あがっている。
行きなれない場所を楽しむ柔軟さも必要か
ビジネスパーソンの利用が多いニュース共有アプリ「NewsPicks」には、この記事に対して200件近いコメントが寄せられた。目につくのが、若手幹事の「気の利かなさ」を批判する声だ。
元記事では、面倒を引き受ける幹事には自分の好みで店を選ぶ権利があり、年輩社員の好みを優先するなら「滅私奉公じゃないですか」と幹事が不満を漏らしている。
しかし職場の宴会には、メンバーが親睦を深める目的があるので、幹事が自分の好みだけを優先するのはおかしいという意見が多い。
「幹事は皆の意見を汲む滅私奉公でしょ。何勘違いしてるんだ」
「自分の我儘を通すのではなく、みんなの意見を取りまとめて店を選んで交渉するのが幹事の役割」
幹事にとって、顧客は「同僚や上司」であり、「顧客は何を望んでいるのか」を考えなければいけないという意見もあった。「宴会は接待の練習」であり、若手は一種の勉強として臨むべきだという人もいた。
一方で、若手幹事を擁護するコメントも少なくない。ある人は「任せるのならある程度の裁量を与え、寛容さを持ちましょうよ! 仕事も同じですよ」と、自分の好みだけを優先させようとする年輩社員もおかしいと反論する。
確かに、普段行きなれない場所を楽しむ寛容さや柔軟さがあってもいいだろう。そもそも宴会は仕事から離れた場なのだから、「苦情言うなら飲み会にも残業代払おうよ」という主張もあった。
年輩社員の幹事で「おいしい日本酒店」に行けば解決?
ベテラン社会人の中には、「別に洋食でも問題ない」という人もいる。ディスカヴァー・トゥエンティワンの干場弓子社長は、
「結構今の50代の方がフレンチやイタリアン、ワイン好きで(昔それらがおしゃれだったから)、むしろ20代の方が居酒屋(チューハイとか)好きかと思ってた」
とコメント。「大人は居酒屋」という発想が必ずしも合っていないと首を傾げている。そもそも歓送迎会は和食の居酒屋に偏りがちなので、
「少人数の会の幹事になったときは、リーズナブルなイタリアンやフレンチを選択すると逆に褒められます」
という人もいた。また、若手幹事に「おいしい日本酒の店」を選ぶよう要求することに無理があると指摘する人もおり、
「そもそも『日本酒がない』と嘆くなら、若手社員が日本酒にハマるくらい美味しい店に連れて行ってやれよ」
と、他人に要求して文句を言うだけの参加者はいけないという人もいた。年輩社員が幹事を引き受け、お手本を見せてやれば若手も感心するはずだ。
間違いのない方法として、あえて「出席者の中で一番立場が上の人に決めてもらう」というアイデアもあった。部長が文句を言ったときに「事業部長に選んでいただいた店なんですよ」と答えれば、ぐうの音も出ないに違いない。
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