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スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿に向けチャンピオン候補4人が意気込みを語る

2014年11月07日 18:40  AUTOSPORT web

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ランキング首位としてスーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿に臨む中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)
11月8日~9日に鈴鹿サーキットで開催される全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦で、いよいよ2014年のチャンピオンが決することになるが、予選を翌日に控えた7日、チャンピオンの可能性をもつ7人のドライバーのうち、4人が出席しタイトル、そして最終戦への意気込みを語った。

 今季、ダラーラ製の新シャシーSF14が導入され、白熱したレースが展開されているスーパーフォーミュラ。参戦ドライバーも絶賛するフォーミュラらしいクイック&ライトな特性をもち、コーナリングスピードではF1をも上回ることが先日のF1日本グランプリでも実証された。そんなスーパーフォーミュラの2014年シーズンも、第7戦鈴鹿でいよいよ大詰め。このレースは今季、『JAF鈴鹿グランプリ』というタイトルもかけられ、大いに注目と言える。

 そんな最終戦鈴鹿を前に、チャンピオンを争う選手権1位~4位の中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)の4人が出席する記者会見が7日、サーキット内で行われた。ただ、ロッテラーは少々遅れ会見には間に合わず、急遽別室で行われた。

■地に足を付けて戦った中嶋一貴
 いずれもチャンピオン獲得の経験がある4人だが、「最終戦はいいスピードをみせていい結果を残し、チャンピオンらしい終わり方をして、チャンピオンを獲りたい」と語るのは、選手権首位の一貴。今季は第3戦富士で天候急変のレースを制し、全戦でポイントを得る走りをみせている。

「2012年にチャンピオンを獲得してから2年が経ちますが、昨年はチャンピオンということもあり自分の中で思い切ってシーズンを1年戦おうと臨みましたが、浮き沈みの激しいシーズンになってしまいました。その反省もあって今シーズンはしっかりと地に足を付けて戦おうとやってきました」

「今年の開幕の調子は良かったですが、そこからちょっとスピードの部分で苦労して、予選結果を見る限りあまり自分がチャンピオンシップをリードするようなシーズンではなかったというのが正直な感想です。その中でも気持ちを切らさず戦ってきたことでチャンスを得て、今日こうしてポイントリーダーとしてこられたのは結果として良かったと思います」

■スピードをみせ逆転狙うオリベイラ、デュバル
 一方、ランキング2位のオリベイラは「すごくアップダウンがある1年だったと思う。今シーズンについてはここ2レースで予選で特に良くなくて、全然納得していない」と2勝を飾りながら、2戦のリタイアがある今季を振り返った。

「でも鈴鹿では違うと思うし、もっといい速さをみせられるはずだ。予選に向けていいセットができると思っているので、楽しみにしているよ。最終戦は僕たちにとっても大事なもので、いいモチベーションをもたらしてくれる。今週末に向けて頑張っていきたい」

 また、ランキング3位で、ル・マン24時間での負傷で1戦を欠場しているデュバルは「今年のチャンピオンシップへの挑戦はすごくタフだった」という。

「トムスやインパルが最も強力なライバルで、ずっと素晴らしいパフォーマンスをみせてきている。それに対して僕たちは頑張らなければならないところもあって、予選ではずっと苦しい戦いだったんだ」

 そんなデュバルだが、最終戦の戦いのカギになるのはその予選だろうと語る。「今週末に向けては、やっぱり予選がすべてだと思う。まずは予選でしっかりと前にいきたいと思う。チャンピオンシップがかかっているとは言え、できるだけのことをして楽しんでいきたい」

■昨年の雪辱を狙うロッテラー
 3人の会見が終わった後、「遅れて申し訳ない」というようなはにかんだ笑顔で登場したランキング3位のロッテラーは、昨年はWEC世界耐久選手権参戦のために最終戦に出場できず、山本尚貴(TEAM無限)に大逆転でタイトルを奪われている。

「今シーズンはチャンピオンを獲得するチャンスは十分あると思う。クルマも速いと思うし、何より鈴鹿は大好きだからね。ポールポジションを目指してアタックして、昨年獲ることができなかったチャンピオンを獲りたい」とロッテラー。

「僕の今シーズンを振り返ると完璧とは言えないと思う。アップダウンがあって、鈴鹿ではポールポジションを獲ったけど勝つことができず、富士でももう少し頑張れたかもしれない。もてぎではケータハムF1に乗るために出ることができなかったからね。失ったポイントは多かった」

 もちろん、この日出席しなかった石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)も、逆転タイトルは難しいとは語りながらも、まずは“初勝利”に向けて虎視眈々だ。それに終盤速さを増しているホンダ勢も、タイトル争いには関係がないとは言え、勝利、表彰台が何より欲しいところだ。

 ラップタイムの上でも、10月の日本グランプリでのF1のタイムに対し、SF14がどんなタイムをマークするのか、SFドライバーたち自身も楽しみにしている様子。この週末はタイトル争い、レースの結果、そして速さと、予選から見逃せない戦いになりそうだ。