渡部篤郎の主演ドラマ『翳りゆく夏』が、2015年1月18日からWOWOWで放送される。
同作は、2003年に『第49回江戸川乱歩賞』を受賞した赤井三尋の同名小説が原作。20年前に起こった新生児誘拐事件の犯人の娘が大手新聞社の東西新聞に内定したことをきっかけに、元敏腕記者の窓際社員・梶秀和が事件の再調査を言い渡され、取材を重ねるうちに新たな真実が明らかになっていく、というあらすじだ。
ある事件をきっかけに編集資料室勤務となった元記者の主人公・梶を演じるのは渡部篤郎。さらに、内定が週刊誌にスクープされてしまった犯人の娘を守り、入社させるために躍起になる人事部長・武藤役を時任三郎、犯人の娘と同じ大学に通う武藤の息子役を菅田将暉が演じるほか、岩松了、滝藤賢一、佐藤B作、嶋田久作らが脇を固めている。キャストの女優陣は後日発表される。監督を務めるのは、『SP』シリーズや、テレビドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』などで知られる波多野貴文。
渡部は波多野作品への出演について、「波多野監督とは、監督が助監督時代に一度ご一緒させて頂いております。その後の活躍もよく存じております。今作品の監督の思いに、応えられるよう最善を尽くしたいと思っています」とコメントしている。
【波多野貴文監督のコメント】
テーマを真正面から描くことが出来るWOWOWドラマを初めて演出するにあたり、与えられた環境の中でも未来へ向かって強く生きる子供の姿、そして守るべきものがあるからこそ弱くなってしまう大人の姿を対照的にしっかり描いていきたいと思います。
渡部篤郎さんとは、16年前に助監督としてご一緒した以来ですが、今回は監督という立場でご一緒出来ることをとても嬉しく思います。また、渡部さんの持つ大人の深みや哀愁は必ず主人公の梶というキャラクターを魅力的にしてくれると確信しています。
WOWOWドラマが目指している重厚さに、自分が予てから目指してきたスピード感のある世界観がどう化学反応をもたらしてくれるか、今から楽しみです。
【渡部篤郎のコメント】
サスペンスの要素が沢山ある作品ですが、人間の心の襞や哀しみ、欲望などが随所に描かれています。重厚な作品をお見せ出来ればと思っています。
【赤井三尋のコメント】
「翳りゆく夏」は、江戸川乱歩賞受賞した、わたしのデビュー作です。
だから、作品に対する思い入れも強く、今回映像化されるにあたって、かなりの期待を抱いています。
小説と映像化作品は、全くといっていいほど、別の作品になることが多いようですが、準備校を拝見させていただいて、ひそかな喜びを感じました。
原作に忠実に構成されていたからです。
執筆時には、かなり苦吟した身代金引き渡しのシーンなどが、映像でどのように表現されるのか、今から楽しみです。