この件について、「Brighton and Sussex Medical School」の神経心理学博士ニック・メドフォード医師は、左扁桃体の一部を切除したことによるものだと説明する。ヒトの大脳辺縁系の一部である「扁桃体」は、左右の内側側頭葉の深部に存在し、神経核に富む。情動や記憶に関与し、恐怖のシーンに遭遇すると扁桃体が過剰に働き、呼吸数や心拍数の増加、戦慄やストレスホルモンの放出に働きかけるという。もっともその男性は術後の短期間ではあるが、それまで好きだった音楽が嫌いになるという不思議な経験もしたそうだ。