映画『ブルー・リベンジ』が、2015年2月から東京・渋谷のヒューマントラストシネマで公開される。
廃車同然の青いセダンに暮らすホームレスのドワイトを主人公にした同作。かつて両親を殺害した犯人が刑期満了を前に釈放されることを知り、ショックで我を忘れたドワイトが繰り広げる孤独な復讐劇を、乾いたタッチと緻密な演出で描いたスリラー映画だ。監督・脚本・撮影を手掛けたのはジェレミー・ソルニエ。主人公のドワイドをメイコン・ブレアが演じている。
2013年の『カンヌ国際映画祭』で国際批評家連盟賞を受賞した同作について、映画評論家の町山智浩は、「主人公が一言もしゃべらないまま復讐を果たす冒頭30分でグっと掴まれた。血で血を洗う抗争を知力を尽くして切り抜けていく、南部ノワールの拾い物だ」とコメントしている。また、映画ライターの高橋諭治は、「この壮絶な復讐劇を彩る冷たい“ブルー”のキーカラーは、映画にこびりついた憂鬱な虚無感の象徴でもある。制御不可能な暴力の痛みと、生々しい戦慄に満ちた近年最高のスリラーだ」と語っている。
なお同作は、1月3日からヒューマントラストシネマで開催される映画祭『未体験ゾーンの映画たち 2015』でも上映される。