2014年F1第17戦アメリカGPは2日(現地時間)、テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで56周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが鮮やかな逆転劇で今シーズン10勝目、通算32回目となるトップチェッカーを受けた。
シルバーアロー2台による熾烈なチャンピオン争いが繰り広げられてきた2014年シーズンも残り3戦。ルイス・ハミルトンの17ポイントリードで迎えた第17戦アメリカGPは、戦前の予想通り、フロントローに並んだポールシッターのニコ・ロズベルグと2番手スタートのハミルトンによる優勝争いに注目が集まった。
レースは、オープニングラップで後方のセルジオ・ペレスと今季初のシングルグリッド9番手からスタートを切ったザウバーのエイドリアン・スーティルが接触。いきなりセーフティカーが出動するかたちで幕を開けたが、5周目からレースが再開されると、リスタートを決めたメルセデス2台が3番手に浮上していたウイリアムズのフェリペ・マッサ以下を徐々に引き離す展開に持ちこんだ。
レースをリードする2台はほぼ1秒弱の間隔でトップ争いを続けるなか、15周目に首位のロズベルグが先にピットに向かい、翌周にハミルトンもタイヤをチームメイトと同じミディアムにスイッチ、再び元のポジションに復帰する。ふたりの差は、直前のラップで若干ハミルトンが遅れたことから2秒と少し開いたものの、20周が過ぎるとロズベルグのペースが若干鈍り、そこへハミルトンが一気に接近。すると、23周目のバックストレートエンドでハミルトンがチームメイトのインを奪い、ここでレースリーダーへと浮上した。
これで今度は追いかける展開となったロズベルグは、その後もしばらく1.5秒前後のギャップでチームメイトの背後につけていたものの、中盤の30周過ぎからその差を2秒以上に開けられてしまうと、その後は2度目のピットストップを終えた36周目に一度ファステストラップをマークしたものの、すでにレースをコントロールしていたハミルトンにそれ以上迫ることはできず。結局、終盤も為す術なく2番手でレースを続けたロズベルグは今シーズン10回目となる2位でフィニッシュ。逆に自身初の5連勝を飾ったハミルトンは、タイトル争いのライバルに24ポイントの差を広げ、2度目のチャンピオン獲得に向け大きく前進した。
表彰台最後の椅子を懸けた3位争いは、スタートで一旦7番手にポジションを落としたダニエル・リカルドが、セーフティカー開けの1コーナーで5番手のフェルナンド・アロンソをパスすると、最初のピットストップでバルテッリ・ボッタスを逆転。さらに2度目のタイヤ交換で3番手のマッサも仕留めた。一方、4位に終わったマッサは、終始いいペースでメルセデス2台の後に続いていたが、2度目のピットストップのタイムロスが響く結果となってしまった。
5位はボッタスで6位がアロンソ。ピットレーンスタートのセバスチャン・ベッテルは、最初のセーフティカーでタイヤの使用義務を済ませ、一時はアロンソの前6番手まで浮上すると、終盤を前に再びピットインして一旦ポジションを下げたものの、そこから再度ポジションを取り戻し、最終的には7位でフィニッシュした。
またトロロッソのジャン-エリック・ベルニュも入賞を懸けた終盤の争いでロマン・グロージャンと接触しながらもポジションを奪うなど、来季残留へ大きなアピールとなる9位フィニッシュ。さらにロータスのパストール・マルドナドも今シーズン初入賞となる10位に入った。